ウェリーの恋人と偽り
今回のお話は、冒険者ウェリーの視点で描かれています。
使徒様達とサンマール村で別れて九日で帝都に着いた。
ポポロが駆ければ四日で十分サンマール村に行けるだろう。
荷物を業者に納入し終わると、すぐに恋人のヒラルの元に向った。
俺の顔を見て凄く驚いている。
「どうしたの?もう治癒魔法を終えたの?ユニコーンは?」
「ある人に出会って傷を治して貰ったんだ。もうポポロを寄進しなくても大丈夫だ」
「駄目!ユニコーンは寄進しなくちゃ」
「えっ。聖女様にはお断りして、もちろん謝罪の手紙を書くよ。
それより会わせたい人がいるから二人で出かけないか?」
「お兄様に知らせなきゃ」
慌ててヒラルは家を出て行く。
俺の傷が治って嬉しくないのか?
半時もせず、馬を飛ばしてヒラルと兄のラエルが戻ってきた。
開口一番が
「一角獣を寄進する約束だったじゃないか。なんて勝手なことしているんだ!」
「俺の顔の傷が治って嬉しくないのか?」俺は叫ぶ。
「ええ、嬉しいわよ。でも、聖女様との約束を違えては……」
「もう、話が進んでいたのに、勝手をされては困るだろ」ラエルが興奮している。
「誰が?」
俺は段々と怒りが込み上げてくる。
「誰が困るんだ?あんたが困るんだよな?」
「そういう約束で結婚を許したんじゃないか。破談になって困るのは君だろ」
「破談?なんでそうなる。」
とうとう本音がでていくヒラルとラエル。
「俺達が欲しいのはお前ではなく、一角獣なんだ」
「えっ、ヒラル。俺を欺したのか?」
「あなたなんか、最初から好きじゃないわ」
「兎に角、一角獣を渡せ」
男達が数名ポポロを捕まえようとしている。
「あの時死んでくれていたら良かったのに」
俺は驚いて二人を見つめる。
ポポロは知らぬ男達を蹴り倒し、俺に向ってくる。
俺はポポロに乗って駆けた。
何処に?
ああ使徒様が待っている。
暗闇も休まず二日でサンマール村に辿り着いた。
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