回復治癒(ヒール)魔法
希望する村人の色付けを開始したが、気持ちは晴れないままだ。
ケープが準備万端整えてくれるが、これでいいのかと思う気持ちがじわじわと溢れてくる。
ユキは小さい姿のまま村の中を自由に徘徊している。
勿論私から遠くに離れたりはしない。
村長がお礼に金貨を用意すると言ったが丁寧に断り、代わりに私は蜂蜜が手に入らないか聞いてみた。
「染料が駄目になってこの村ももう裕福とは言えない状態だ。
使徒様に感謝する。
ちょうど蜂蜜の取れる木が二つ見つかったと喜んでいたところだ」
村長が案内してくれる。
やはりこの村にも西側にバンブ林があって、その中に林ともいえない位の木々が固まっている。
木の穴に沢山の蜜蜂が入って行く。
近くに蓮華の花がたくさん咲いているようだ。
良い匂いがする。
木の下に大きめの壷を上手く差し込んでいく。
昨日、準備したという小さい壷には四センチほど貯まっていた
私は壷ごと蜂蜜をもらうことになった。
また新しい壷が用意されていく。
バッグから七輪と土鍋を取り出し、蜂蜜を濾して火に掛け煮詰める。
そこに小さく砕いた薬草を入れ混ぜ合わせ、七ミリ程の丸薬に作っていく。
気持ちのモヤモヤを忘れるように一心不乱に作る。
するとタブレットが『レベルが上がりました』と呟く。
慌てて本を開くと
――調薬魔法 Lv.3
(風邪薬の作り方)
葛根
生姜
甘草
(あればナツメ)
煮詰める
魔力 弱 必要
生姜以外の材料を想像することが出来ない。
明日この村に薬屋があるか、尋ねてみよう。
ベッドの上でユキがぐったりしている。
この町に来てからユキがとても疲れているようだ。
鑑定を行うと
―― 名前:ユキ (主人アーヤ)
年齢:四歳
種族:聖獣
スキル:回復治癒魔法 Lv.8
いつの間にか回復治癒魔法のレベルが上がっている。
徘徊の間ずっと『ナオス』を掛け続けていたので、毎日疲れていたのだ。
『コドモ けが ナオス、オバアサン こし イタイ ナオス した』
私はユキを力いっぱい抱き締めた。
「よし!私は私で出来る事だけに集中しよう」
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