みんなの思い
翌朝、目が覚めた後もベッドでゴロゴロしていると、ノックの音とともに声をかけられた。
「起きてる?
下の食堂に居るから起きてたら来てね」
「起きてまーす。
すぐに行きますね」
寝ていると思っていたミトさんが返事をした。
「おはようマコちゃん。
女性を待たせるのはダメだから、さっさと着替えよう」
おはようございますと返事をしてベッドを出た。
食堂へ行くと、ボク達以外の皆が揃っていた。
おはようと挨拶を交わしながら椅子へと腰かける。
「で、早速だけどこれからどうするか話し合いましょう。
ウダウダしてても変わらないからね」
スッキリした姉さんの顔を見ると、これからどうしたいのかはわかる。
「先ずは……一番他人なミトさん、どうする…どうしたい?」
一人ずつ名指しでいくようだ。
「え?他人だなんて酷いなぁ。
まあこれから関係を深めて行くためにも俺はアスさん次第だよ。
なんて言うと丸投げしているみたいだけど、冒険を続けるなら俺も行くし、村に帰るのでもついて行くよ」
熱い視線と共に魅力的な笑顔を浮かべているのだろうけれど、はっきり言って胡散臭くしか見えない。
姉さんも同じように思ったみたいで「そう」と軽く流している。
「じゃあコタはどう?」
ふーちゃんの膝の上でタヌキ姿だったコタは、人の姿になり椅子に座る。
「オイラは正直言って冒険に行きたいよ。
山の向こうに他に国があるならきっと今まで見たことないものも沢山あるだろうし、ダンジョンとか、ドラゴンとか、冒険者ギルドとか……。
ギルドで冒険者登録してトップ冒険者を目指すとかさ、夢が広がるよね!」
うっとりと楽しそうに語るコタの言葉に、姉さんの目もキラキラしている。
「ダンジョンって、ドラゴンって何?
冒険者ギルドとかあるの?
それに登録すれば上級な冒険者になれるの?」
「あのね、ダンジョンってのは………」
コタの世界での冒険者の行動や、モンスターと呼ばれる魔物の話を聞く皆の顔はワクワクしている。
勿論ボクも聞いているだけで楽しいよ。
「緑色した小さな人みたいな見た目の…ゴブリン?って怖いわね。
女性を拐うなんて、見つけたら全滅させるわよ」
「半透明でプニプニしているゼリーみたいなスライム?って言うの見てみたいわ」
「いや、ここはやっぱりドラゴンだろう。
羽の生えた家よりデッカイトカゲで火を吹いたり空を飛んだりなんて、そんなの出たら倒せるかなあ」
「俺としてはオーガとか言うのが、鬼族とどう違うのか気になるね。
あとコボルトと犬族の違いとか」
「ボクはそうだなぁ、とりあえずアンデット?って言うのには会いたくないな。
ようはお化けでしょう?
腐った死体とか、動く骨とか、剣で倒せないレース?とか会いたくないな」
「あ、それ私も嫌だわ!
腐った死体って臭そうだし、腐ってるって事は肉がベローンってなってたらり、目玉が…………」
「アスちゃんやめて!
想像しちゃうじゃない!」
「……俺もう想像しちゃったよ……朝ごはんもどしそう……」
「落ち着けミト、ここは食堂なんだから外へ行け」
「ああ、なんだか皆冷たい……でもそれはそれでなんだか良い気がしてきた今日この頃」
まだ見ぬモンスターに皆、興味津々だ。
ワイワイとどんなモンスターに会いたいかとか、出会ったらどうするとか盛り上がっていたので、コタの
「まぁ、小説やゲームの中の話だけどね」
と言う呟きは聞こえていなかった。




