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出発後の出来事

「さあ!旅の再開よ!

皆、私について来なさい!」

張り切って片手をあげる明日姉さんの掛け声に、ふーちゃんがクスクス笑いながら、同じように手をあげる。

「はーい、頼りにしてるわよアス」

「山脈まで後4日ほどか、頑張ろう!」

「おーー!」

面白そうに追付するミトさんとコタ。

……え?この流れだと、ボク達もやんなきゃダメっぽい?

リュート兄さんを見ると、やれやれという感じで、

「出発するぞ」

と手を上げる。

「お…おおー………」

やらざるおえないのか?小さく手をあげるけど、ボクそんなキャラじゃないんだけど……恥ずかしい!


メンバーも増え、疲れない程度に話しながら山脈目指し進んで行く。

村を出てから今までさした危険も無く進んできたので油断していたのか、王都を出て半日ほど進んだあたりで、この旅に出て初めての危機的状況に見舞われた。


気づけば周りを囲まれてしまっていた。


ガタイのいい人相の悪い男が8人、腰の剣に手をかけて、ニヤニヤしながらボクらを取り囲む。

「女が2人に子供が2人か。

男2人は殺していいけど、子供は売れそうだな」

「荷物持った奴は子供じゃないんじゃないのか?」

「犬混じりか?面倒だから女だけ残しときゃいいだろ」

卑下た笑いを浮かべながら口々に言う。

一番背の低い男がリーダーなのか、

「女と荷物さえ奪えれば、後は好きにしな。

子供といえども無理に生かすこともない」

話を決め、それぞれが剣を抜く。

ボクとリュート兄さんも剣を構えるけど、こちらは戦えないコタとふーちゃんとミトさんが居る。

守りながら8人相手にするのは無理だ。

だからと言って逃げられるとも思わない。

それよりボクは剣が使えるけど、今まで動物しか相手をしていない。

人に剣を向けたことも無い。

それでも戦わなければいけないのはわかるけど、身体は正直だ。

剣を持つ手が震えている。

「おいおい兄ちゃん、震えてるぜ」

震えに気づかれ笑われた。

リュート兄さんが剣を構えたまま近づいて来て、小声で告げる。

「マコ、無理するな。

俺がなんとかするから、隙を見て皆を連れて王都へ戻れ」

「でもリュート兄さん1人じゃ……」

「大丈夫、俺を信じろ」

ボクは頷くことしかできなかった。

「おしゃべりは終わったかい?

それじゃあ続きはあの世で話な」

一番背の高い男が剣を振りかぶる。

その剣が振り下ろされる前に、何かに弾かれた。

「つべこべ煩いわね!

私の道行の邪魔するな!」

後ろを振り向くと、鳥に変化したコタが空を飛び、ふーちゃんはミトさんを抱えて、さらに高い空の上。

そして続け様に矢を射るアス姉さん。

アス姉さんの放つ矢は相手の手足を狙い、確実に動きを封じている。

相手も何人か弓を持っていたようだけど、弓をつがえる前に、リュート兄さんが距離を詰め、斬りかかる。

そのリュート兄さんを狙う男の頭に火が着いた?

空を見上げると、ふーちゃんに抱えられたミトさんが、火の魔法を発動させていた。

威力は弱いけれど、髪の毛や服を狙うので、ダメージはあるみたいだ。

髪や服が燃えて慌てている相手に、アス姉さんが追い討ちをかける。

リュート兄さんも相手に確実にダメージを与える。

…………ボクの出る幕ないよね。

なんて考えながらら一歩引いて状況を見ていたので気づいた。

リーダーだろう背の低い男が木の影から弓をつがえ、ふーちゃんに狙いを定めている⁈

声を出すまも無く、剣を握りしめ男に駆け寄ったけれど間に合わなかった…。

「逃げて‼︎」

「邪魔なんだよ!」

ボクの声と男の声が重なり、男の放った矢がふーちゃんの肩に刺さる。

「ふーちゃん!」

ミトさんを抱えたままふーちゃんが落ちてくる。

アス姉さんが駆け寄るより早く、空を飛んでいたコタが大きなクッションに化けて2人を受け止めた。

「‼︎ マコ!」

ほっとして隙ができたボクに、リーダーの男の剣が振り下ろされていた。

間一髪で両手持った剣で防いだけれど、勢いに押されて転んでしまった。

転んだボクの目は、スローモーションのようにゆっくりと迫り来る剣から目が離せなかった。

ああ、こんな錆の浮いた剣で斬られるのか、などと逃避していると、


「マコ!!」


リュート兄さんの声が真後ろで聞こえ、目の前の男の肩から上が視界から消え、頭の乗っていた場所から赤い液体がボクに降り注いできた……。


そこでボクの意識はなくなった…………。

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