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206/207

206 俳優間トラブル

 

 はいこんにちは。

 今回は、SNSのほうで炎上していた状況を見て知った内容をもとにしたお話です。

 大元はあの有名な(?)文春砲。週刊誌ですっぱ抜かれてしまった事態のようですね。


 事態は、とあるテレビドラマ撮影の場で起こりました。

 主演でありご夫婦役をしていた男性俳優と女性俳優との間でのトラブルです。


 まず女性俳優さん(以降Aさんと呼称します)が個人的な過去のトラウマのために様々な「NG演出」を指定していたことがあります。Aさん側ではドラマのオファーを受けた時点でこれらのことをドラマ制作陣に伝えていたのですが、ドラマ制作側はなぜか、それを男性俳優さん(Bさんと呼称します)に伝えないことにしました。


 実はBさん(私は面白い俳優さんだなと個人的に思っている人なのですが)とてもアドリブの多いかたのようで。稽古やリハーサルではしなかった行動を、本番になって急におこなうことが多いらしいのですね。まあ、それ自体は構わないのですが。

 今回は、Aさんが「NG」としている一連の行動が本番で出てしまったとのこと。軽くなのですが、Aさんの体に触れてしまったというのです。


 Aさんはこの件を制作陣を通してBさんに申し入れてもらいました。

 なおAさんは、普段の他作品での演技では事前の打ち合わせで決まっている動きについてはきちんとこなし、他ドラマでもそのほかの男性俳優さんたちとの接触をする演技をされていたと思います。朝ドラや大河ドラマにも出ておられる俳優さんですしね。ですからこれは飽くまでも「アドリブで」「急に」「体に触られた」ことへの拒絶でした。彼女としてはかなり驚いたし、恐怖を覚えたのかもしれません。


 さてBさん。男性であり、Aさんよりはだいぶ年上なのですが、この人はこの「申し入れ」に対して、いきなりAさん楽屋を訪れてしまいました。

 製作側ではそれを問題視して、二度と楽屋を訪れないようにとBさんに勧告した。にも係わらず、再度同じようなことをしてしまい、さらには「そんなトラウマがある人がこういう仕事をしない方がいいのではないか」という意味のことを言ってしまった……というのです。

 このことが週刊誌にすっぱ抜かれてしまいました。


 この件に関しては、専門家のひとりでもある有名な脚本家さんが2名、テレビやSNSを通じてご意見を発信。

 共通しているのは「役者間の問題は、まず制作陣を通してすべて行われるべき」というもの。間違っても相手の楽屋にいきなり凸ってはいけない(苦笑)。まあ、当たり前です。


 正直いって、若くて女性の身であるAさんにとって、Bさんの凸はどれほどの驚きと恐怖だったことかと察してしまいます。「二人きりにしてくれ」と言われたとのことで(まあそれはマネージャーさんたちが阻止してほかにも同席した人がいたようですが)さらには説教じみたことまで言われ……精神的にしんどい場面だったことは想像に難くない。


 Bさんは(まあ好みは分かれると思いますが)ユーモラスで愛嬌があり、特にコメディ作品では大変貴重な存在だと思われるのですが、いかんせん体も顔も大きめですし、なにより男性ですし……過去に男性関連のトラウマがある女性にとっては怖い存在であることに間違いはありません。


 さてこのことについて、SNS上では特に男性たちが凄まじいAさん叩きを始めてしまいました。ちらりと見ただけでも、かれらは棘まみれのひどい言葉を並べていました。

「そういう仕事なんだから黙ってやれ」というわけです。かれらの言葉の裏に見え隠れしているのは「男に逆らうなんて、生意気な女は潰してやるぞ」といった陰湿な動機であるように思われました。これに対していつものように女性たちによる反論が湧きおこって炎上。まあいつものやつですね。


 最近ではようやく映像の世界にもインティマシー・コーディネーターが導入されるようになり、役者が人権や尊厳を冒されぬように目を光らせる体制ができつつあります。それでも、日本の現場ではまだまだであり、世間の認識も発展途上なのだなと実感させられる事態でした。特に男性対女性の形になると、本当にまだまだ日本が男尊女卑の国であることを実感しますね。「女ごときが何を言う」と怒り狂う男性たちはまことに攻撃的で、恥ずかしくも見苦しい存在です。


 ともあれ、おふたりが今後の仕事を行ううえで最善の結果になれるよう、何もできないながら遠くから祈っております。

 映画やドラマでのトラブルは、まず何よりも制作側がしっかり間をとりもってうまく潤滑剤になってほしいものだと思います。

 それでは、今回はこのあたりで。


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