185 小説「孤狼の血」
はいこんにちは。
今回は本のお話です。……が、実はこの作品すでに映画化もされているのですよね。
知ってはいたのですが観てはいないという。でも、ちょっと気になったので今回手にとった次第です。
どこかで観られたらまたそちらの話もできればなと思っております。
〇「孤狼の血」
柚月裕子・著 / KADOKAWA(平成29年・2013)
※これは文庫版の初版年です。単行本は2015年初版。
実は勤務している学校図書館に置かれていたのですが、正直、中学校にわざわざ置くような本ではないような……とは思ったのでこちらでの紹介となりました。
なにしろヤクザの世界を描いたものですし……ねえ。どうなんでしょうか。
さてさて。
ということで少しだけストーリーのご紹介。
舞台は昭和63年の広島。架空(とはいえどこかは歴然・苦笑)の町・呉原市。
呉原東署の捜査二課に配属された25歳の新人刑事・日岡秀一巡査は、捜査二課の主任で暴力団係の班長であり、暴力団との癒着があるとの噂のある大上章吾巡査部長とコンビを組むことに。
そんな黒い噂がありながらも、大上は獣のように強引なほとんど、というかしっかり「違法な」捜査を繰り返して、大きな手柄を立ててきた男。いつもかぶっている白いパナマ帽がトレードマークです。
この大上、単に見た目だけでなくヤクザたちとの係わり方が、本当にヤクザにしか見えない男。新人の日岡は呆然とするような出来事の連続。
やがてバックにヤクザがいる金融機関のとある社員が失踪した事件に始まり、暴力団同士の仁義なき抗争が始まって、否応なしに日岡も巻き込まれていくことに……。
いやね、なんといっても本当に骨太。ハードボイルド!
そしてミステリーとしての側面もしっかりと併せ持つ作品。
なにが凄いって、やっぱり警察内部の様子や捜査の仕方、警察独特の言い回しがとてもリアル。それに加えて同様にヤクザ世界の独特の言い回しや習わしみたいなものも詳しくて、柚月さんの情報収集能力に脱帽してしまいます。
こういうことを言うと差別主義者みたいに思われてしまうかと思うのですが、女性作家が書いているとは俄かに信じられないような、本当に骨太の作品。ヤクザ世界、男の世界なので、女性を人間とも思っていない男たちがどんどん出てくるわけですしね……。そんなこんなで、「やっぱり学校図書館には置かなくていい本かな」ということになってしまうのですが(苦笑)。
作品として素晴らしいことは間違いないので、大人のみなさんは是非一度手にとってみられてはいかがでしょうか~。
ではでは、今回はこのあたりで。




