第7話・オトナ薬
それから1年、錬金術と創造スキルを極めていった。ガラスの物を作ることが楽しくなっていたので、花瓶やコップ、動物の置物なんかも作っては、アイテムボックスへ入れていった。
「スキルを隠しておく方がいいのかもしれないだけど…せっかく上手に作れた物があるのに、誰にもプレゼントできないのは寂しいなぁ…。」
前世のように自分が企画した商品というだけでなく、商品そのものを作れる。
それを受け取ってくれた人が使ってくれたり、喜んでもらえることを想像した。
「でもスキル持ってることはまだバレたくないし…何かいい方法がないものか…」
いつもの庭で、砂時計作りに挑戦しながら考えていた。相変わらず、この場所は誰も近寄らないので心置きなく製作に打ち込めた。
(大人なら作った物を市場で売れたり店を一部間借りして委託販売してもらったりしても怪しくないんだけど。4歳じゃぁなぁ。)
成功した砂時計の、サラサラと落ちる砂を見て、閃いた。
「そう…そうだよ。大人になればいいんだ!錬金術と創造のスキルで大人になれる薬とか作れないかな!?」
急ぎ、参考となる資料を探しに図書室に向かった。
アルフレイルは、様々な国の植物図鑑や鉱石図鑑、薬学大全といった参考になりそうな本を片っ端から集めて窓際のテーブルへ積み上げた。
それから、『オトナ薬』の材料として可能性があると思われる材料を、どんどん書き出していくところから研究が始まった。
♢♢♢
研究を始めて1週間が経ち、1ヶ月、3ヶ月…と時は過ぎていった。その間、屋敷の近くにある『ノルウェルの森』や、市場で素材を集めていった。
市場での買い物をする際は、同行してくれたマリアには適当な理由を言って、怪しまれはしたけどなんとか誤魔化した。
「とりあえず、集まった材料で試してみるか。」
まずは、『活力草』で生命力を高めて『魔力草』で魔力の伝導率をあげる。そして、『世界樹の花』で成長を促し、『魔力水』で効果の安定を図る。
一つ一つ、鑑定して集めたから効果は間違っていないと確信しているが、これらを錬成してどんな薬ができるのか、楽しみと不安が入り混じっている。
材料を入れた容器に魔力を流すと白く光り、薄緑色の液体が作り出せた。
「鑑定」
すると、目の前に液体の詳細が表示された。
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素材名 成長薬
品質 C
説明
ちょっと身長が伸びる薬。
効果
身長の成長率は個体差がでる。効果時間は約30分。
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「とりあえず…成功なのか?まぁ、30分で効果が切れるとあるし、使ってみるか。」
味は期待していなかったので、コップに注ぎ、ゴクゴクと飲み干した。
「なんだ…これ…」
体の奥から何かが溢れ出すような感覚に思わず膝をついた。
骨が軋み、筋肉も引き伸ばされるような感覚だ。
「成功…したのか?」
視線を足下に向けると高くなっているように感じた。
しかし、池に写る自分の姿を見て驚いた。
「ま…まさか!」
♢♢♢




