~二日目~
二日目続きです。ちなみにまだ続きます。
朝のホームルームが終わると男子が全員教室から出て行った。
「え?どうしたの?」
「優さんどうしたんですか?」
席が隣の葵ちゃんは僕のことを心配してくれた。やっぱり持つべきものは友だよね。うん。
「いや、男子全員出て行ったから・・・。今から何かあるの?」
「優さん・・・先生の話聞いてなかったんですか・・・・?」
「え?」
いや、正直聞いてたよ!聞こえてた!右から左に受け流してただけで!決して友達が出来たことに浮かれてたわけじゃないんだからね!
「聞いてなかったんですね・・・。」
「いや、聞いてたけど~・・・。」
「今日は身体測定があるんです。それと、体力テストです。ちゃんと体操服持ってきてますか?・・・・は!も、持ってきてなければわ、私の体操服を貸し、貸しますよ!」
「あー道理で昨日体操服がいるぞーって言ってたわけだ。ありがとう!あ、ちなみに体操服は持ってきてあるから大丈夫!」
「そうですか・・・・。」
しゅんとなる葵ちゃん。いやいや、人に体操服貸すのって別に楽しいことじゃないよね!?
「あ、ありがとうね!気持ちだけ受け取っておくよ!」
「はい。ありがとうございます・・・。」
葵ちゃーん!早く戻ってきて~!
「どーん!」
「はぶっ!」
後ろから何者かに体当たりを食らわされてしまった!すぐに体制を立て直して反撃だ!
「・・・・萌花ちゃん?」
どうやら僕に体当たりをしてきたのは萌花ちゃんのようだ。
「なんで萌花ちゃん・・・僕に体当たりを・・・?痛いよ?」
「なぜと聞かれたからには答えよう。答えは、特に意味はなあああい!」
だろうと思ったよ。
「萌花、やめなさい。」
「痛い!暴力反対!」
なんかさっきも見たような光景だな・・・。
「これは暴力ではないわ。優さんに危害を加えたあなたに正当防衛の名の下、正義の鉄槌を食らわせたのよ。」
「正義などという胡散臭いもの、私は信じない!世の中に蔓延るのは悪ではない!自らの正義を全うしようとする者たちだ!」
・・・・・なんだこの茶番。
「えーと・・・身体測定とかなら早めに準備したほうがよくない?」
あと2分で始まるよー。
「え!?もうそんな時間!?」
萌花ちゃんも葵ちゃんもまだ着替えていないため急いで着替え始めた。僕も着替えるかな・・・。待てよ、僕はどうすればいいんだ?こんな女子しかいないところで着替えろというのか!?無理無理!っていうか僕の理性が・・・!
「優!早く着替えないと遅れるよ!」
萌花ちゃんが僕を急かす。うーしょうがない!ぱぱっと着替えよう!
僕はブレザーを脱ぐとブラウスに手をかけた。その時、ものすごい視線を集めていることに気づいた。その発信源は萌花ちゃんと葵ちゃんからだ。
「えっと・・・・僕の方見てないで早く着替えたほうがいいんじゃない?」
しかし、二人の視線は僕から離れない。
「いやいや、こんな大チャンスに自分のことなんてしてられませんがな。ささ、お気に鳴らさずにお脱ぎくだされり。じゅるり。」
「萌花ちゃん!じゅるりって何!?怖いよ!葵ちゃん!萌花ちゃんをちゃん止めて!」
「ごめんなさい。優さん。今だけは萌花の味方なの。」
「ぬわああああああああ!」
キーンコーンカーンコーン
始業のチャイムが鳴ってしまった。
「あ、ほらー優が早く着替えないから~!とにかく早く着替えて!」
そう言われて萌花ちゃんは僕を脱がしにかかった。
「ちゃ、ちゃっとま・・・ひゃ!」
着替えさせられるだけじゃなくなんかいろいろ触られたんだけど!
―――――
女子はまず身長・体重・座高から。僕たちが遅かったせいかもうほかの女子は全員保健室に集まっていた。
「ごめーん!」
萌花ちゃんが謝りながら入る。そのあとに僕たちも続く。
「遅くなってすいません。」
と葵ちゃん。
「遅くなりましたー。」
僕が保健室に入った瞬間ざわついていた保健室の空気が一瞬止まった。そして元に戻った。萌花ちゃんや葵ちゃんが入ったときは別にそんなことなかったのになんで僕の時だけ?もしかして僕嫌われてる・・・?
「はーい。全員揃ったわねー。それじゃあ適当にグループ作ってちゃちゃっと測っちゃって頂戴!」
ぱんぱんと保健室の先生らしき先生が手を叩きながら説明した。って、これ説明になってないだろ!適当すぎるわ!
「葵ー。優ー。それじゃあ測ろっか。まず何からがいい?」
「そうだねー。まあ空いてるのからでいいんじゃない?」
「そうですね。じゃあ身長からしましょうか。」
身長は不人気なのか、あまり人がいなかった。
「それじゃあまずは手始めに葵、行っちゃって!」
「はいはい。」
「んーと163.2!いいなー。」
萌花ちゃんがいいなーと足をバタバタさせながら連呼する。
「んー去年から伸びてません・・・。止まっちゃったのかなー・・・。」
「次!優!」
「え、僕は一番最後でいいよ・・・。あはは。」
実は僕はこの体になって身長が縮んだことを結構気にしている。だからできる限り現実から目を背けたい。
「いやだ!優から測って!おねがい!」
「えー。まあそこまで言うなら・・・。」
萌花ちゃんは身長測るのが嫌いなのかな?まあ、見た目小学生だしね。
「えーと、158.4cmですね。」
・・・・・・・え?なんだって?
「ごめん、葵ちゃん。もういっかい言ってもらっていい?」
「え?はい。158.4cmです。」
なんだってえええええええええええええ!
「うそでしょ!?嘘だって言って!おねがい!」
「い、いえ。嘘じゃないです。」
そ、そんなばかな・・・。中学生の時に最後に測ったときは176cmだったはず・・・!どんだけ縮んでるんだよー!
「ふふふ・・・。優、往生際が悪いよ。遂に私より低い人が現れてくれて助かったよ。」
そう言って身長を測ってもらう萌花ちゃん。
「・・・・144.0ね。」
「萌花ちゃん。さっきなんて言ったの?萌花ちゃんより低い人?それは多分小学生にしかいないよ?」
「う、うるさーい!」
激おこなんとかまるな萌花ちゃんを置いて葵ちゃんと僕は次のところへ移動した。
「次は体重ですかね。」
「体重かー。じゃあ僕から・・・。」
「待ってください。これも私から行かせてください。」
「い、いいけどどうして?」
「優さんのあとに測りたくないんです・・・。」
「は、はぁ。」
順番なんてどうでもいい気がするけど・・・。
「じゃあ乗ります。・・・・・。」
無言で降りてくる葵ちゃん。
「どうだったの?」
「1kg増えてました・・・。やっぱり春休みに運動しなかったから!」
「あ、ど、どんまい。」
「優さん。測ってもいいですよ・・・。」
「あ、ありがとう・・・・。」
僕も体重計に乗る。・・・・46kgか。まあそんなもんか。
「46kgですって・・・!?」
後ろで葵ちゃんが悲鳴を上げる。
「神は・・・理不尽だわ!服の重さを抜いたら45kg!?ありえない!」
葵ちゃんはそんなことを言いながら僕の腰のあたりを掴む。
「優さんあなた、どういう体の構造をしてるんですか!?」
僕の体を撫で回す葵ちゃん。完全に変なスイッチ入ってる!
「ちょ、やめ・・・ん!」
変な声が出てしまった。直後周りの女子が僕の方を一斉に見る。
「あ、葵ちゃん!みんな、見て・・・あんっ。」
葵ちゃん!やめてー!
ちょっとR15使えたかな?まあ定番の身体測定ですけど。