ネコメと本屋と飲食店
参考書コーナーと書かれた案内板の下で本棚にズラリと、平積みでズラリと。結構な数がある、ネットや電子が主流になりつつある現代だがまだまだ紙も頑張ってると思えた。
「高校生範囲ならこの辺りになるね、とりあえず一冊ずつパラパラと中見てこれだ!ってのアタリ付けると良いかな」
「うん、探してみるね」
「じゃあ俺も自分の見て見ようかな……こっちか、困ったら呼んでね」
「わかった、ありがとうお兄ちゃん」
ネコメは気になるタイトルの本をめくり確認し出した、自分も探そう。
紙の本を読み出す、これは想像以上に時間が進む。
「……ハッ、意識持ってかれてた」
我に返った縁は合いそうな問題集を数冊手に取り購入を決めた、別コーナーで参考書を探してるはずのネコメを探す。
(あれ……どこ行ったネコメちゃん)
別れた所にはおらず探してみる、広いとは言え本屋から出る事は無いだろう。
本の島を渡り歩いていく内に見慣れた少女を見つけた。
「……ネコメちゃん、見つかった?」
ビクッ!と跳ねるネコメ、集中していたのだろう。
「ごめん、お兄ちゃん集中しちゃってた」
「良いよ良いよ、欲しいの見つかった?」
「うん、一杯あって迷っちゃうね」
ふと見れば本屋の袋を提げてる。
「あれ?もしかしてもう買ったの?」
「うん!どうしても選びきれなかったから沢山になっちゃった」
ちらっと見えた袋の中はパンパンだ、重なって気づかな買ったが袋は二つある。
「け、結構買ったね……」
「本屋って凄いね、一杯ありすぎるんだもん」
ネコメはご満悦だ、喜べたようで何よりだが……今居るコーナーは旅行書のコーナーだ。
「日本を旅しよう」
そう書かれたタイトルで割と厚めの本を抱えてる。
「参考書は買ったけど、これも買う」
「すっかり本屋にハマったね、ほら袋持つから行っといで」
「ありがとう!」
満面の笑みでレジに向かっていった。しかし受け取った本の重さが尋常じゃない、参考書や問題集のようだが浪人の縁より倍以上量がある。
(なんか……俺も、もっと頑張らないといけないな)
密かに自分を奮い立たせてそっと一冊自分の問題集を足した。
会計を終えて時間を見れば昼を過ぎて十四時前となっていた、本に夢中で時間感覚がおかしくなる。
「ネコメちゃん、下でお昼食べようか」
「え?あそこに行くの?ほんとに!?」
「ああ、遅くなったけどお昼にしよう。さあ行こう行こう」
エレベーターで降りて飲食店エリアを前にする。
「どこが良い?」
店の一覧が並ぶ案内板を見て悩む。
「結構な数あるなぁ、ここでイメージ出来ないなら歩きながら見ても良いよ」
「歩きながら見てみたい」
ネコメの手を繋いでざわざわと活気がある飲食店通りを練り歩く。案内板ではわからない詳細メニューや空き状況を間近にしながら、悩めるのもこういう所の楽しみだ




