平日ハプニング
「前の軽トラ止まってくださーい」
「何?俺……?」
身に覚えがないのだが何かやらかしてしまったのだろうか?
とにかく止めれそうなスペースで止まる。ネコメは生のパトカーと警官の姿に口を開け驚きを隠せないようだが……
「はーい、すいませんお兄さんちょっと良いですか?」
「はぁ、どうしました?」
「すいませんね〜いや平日の昼前だけどお兄さんとお嬢さん二人でどうされたのかなって確認をね、免許証お願い出来ます?あ、ありがとうございます……お兄さん住所間違えてないよね?めちゃくちゃ遠いけど?」
そう言えば住民票とか移したりしてないので実家のままだった、ナンバープレートも県外だし……
……これは、何かしらの良くない疑いが掛かってないだろうか?疑われそうな要素と言えば……
平日の昼前、軽トラの運転手二十代前半。まあここまではともかくだが、ヘッドフォンをぶら下げた茶髪の少女が付いている。
「君は妹さんかな?学校はどうしたの?」
「あ……えと……通信制で……」
ネコメも別の警官に質問されているが、人馴れしてないのでオドオドしてしまっている。仕方ない事だ、大人だって何もやましくないけどパトカーに止められ質問されたらドキドキする。
「お兄さんは学生?お仕事?どこから来ました?」
「今この子も住んでるアパートの管理人やってまして、本屋に連れていく途中です。来たのは幽導村って田舎なんですけど……」
「幽導村?あの山越えたとこだよね……?ごめんねちょっと確認だけ取るから住所とか名前わかるのがあれば見せてくれるかな?」
マズイな、幽荘と言う名前は出せても証明するような物は積んでいない。狐音に連絡取ったらいけるだろうか……
「お兄ちゃん私生徒証ある」
ナイスだネコメちゃん。
生徒証を借りて警官に確認してもらう。無線でやり取りしているが果たして……
「……はい、了解しました……ごめんね待たせてしまって、はい生徒証お返しせます。確認取れました大丈夫です」
全身の力が抜ける、一人の方がヤバかった可能性がある。ネコメの用意に感謝だ。
「いやーご協力ありがとうございました、しかし幽導村とは驚きました。言い方がアレですが住んでる方がまだいらっしゃったとは。」
やっぱりあの辺りに住むのが珍しいのだろうな、住人は幽荘メンバーと山の中の野生動物ぐらいだし。
「止めてごめんね!お気を付けて運転してください」
ようやく解放された、ネコメは急な事に怯えてないだろうか?
「ネコメちゃん大丈夫?」
「うん、びっくりしたね」
「生徒証があって助かったよ、持ってたんだね」
「うん、学生だから持ち歩きなさいって狐音さんから言われてたの」
やっぱりそういうとこはしっかりしてる狐音にも感謝しつつ、目的地まで再スタートだ。ナビによれば場所は近い。
「よし!改めて出発!」
「うん!」
ハプニングはあったが、気を取り直して車をまた走らせた。




