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現代幽荘物語  作者: かずや
個性豊か

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へびめ

 一度部屋に戻り荷解きを再開する

 今ネコメさんを狐音さんが温泉で洗ってるからまた来るだろう、せめてお茶ぐらいだせるように……

 (そういえば調理場は別って…どこだ?)

 部屋には勿論無いがパッと外を見渡しても山しかない

 カセットコンロ持ってくるべきだったか、どうするかと悩んでた時だった

 

 (やるじゃん)


「え?」

 不意に声が聞こえた、部屋には一人のはずだが…

 背筋がゾクゾクしてきたがまだ昼過ぎの太陽照りつける時間である

 (なんだ?さっきから視線を感じるような…ヤバくないかここ?)

 不安を感じながら部屋を見渡すも荷物しか無い

 なんだなんだとソワソワしてるとドアが勢いよく開けられた

「ネコメの問題片付いたの!お主なにやってるんじゃ?」

 いきなり開いたドアに驚き腰を抜かす情けない二十歳、男

「狐音さん、ノックして…」

「まあええわい、ホレ次の問題じゃ」

 (不気味な出来事は後で聞くか…)

 狐音に連れられ来たのは一〇二号室、縁の真下の部屋だった

「ここにはちょっと奇抜な奴が住んでおっての、アーティスト目指しとるんじゃがスランプと言って引き篭もっとるんじゃ」

 また引き篭りなのか…縁は頭を抱える

「おーい、若い男連れて来たぞい!」

 ドンドンドアを叩く、やはりインターホンは壊れてるのか

 やがてドアが開いていく

「男?若いの?」

 出て来たのはこの場所に似つかわしく無い繁華街に居そうなギャルメイクで武装されたおねーさんであった

「こやつはヘビメじゃ、なんかアートに打ち込んどるのだが波が激しくての、丁度若い男を探してたんじゃよ」

「あ、上に越して来ました管理人の紬 縁です」

「……うーん、まあまあ、入って」

 一瞬見るだけじゃなく何かを測られたような…

 狐音を見ると「ダメ元じゃ」と背中を押される

「…失礼しま…なんだこれは」

 部屋一杯に作品が詰まってる、絵画から造形物までどれも確かにアーティスティックと言うか前衛的な物ばかりだ

 作品に目移りしてるとヘビメは声を掛けてきた

「脱いで」

「…え?」

「脱いで」

 間違いなく服を脱げの意味だ、いや女性の前でいきなりそれは覚悟が…

「縁よ、脱ぐのじゃ」

 えぇ、狐音さんまで言い出した…

「いや、ちょっといきなりすぎません?」

 ヘビメは構わず言った

「脱いで」

 この人やべぇ…目が座ってると言うかロックオンされてる

 (これは…逃してくれない…ええいままよ!)

 ヤケクソ気味に服を脱ぎ始めた

「もういい」

「え?」

「着ていいよ」

 ヘビメは上半身だけを見てストップをかけた

「ふむ、合わなんだか」

「狐音、この子野生が無い」

「まあ今日来たばかりの都会っ子じゃからのう、まだまだ肉も無いしのう」

 脱がされただけでなく散々な事言われてる…泣きそう

 ここで狐音がヘビメに耳打ちをする

 なんだか嫌な予感しかしない

「一理ある」

「決まりじゃな、長い目で見ていこうかの」

「あの狐音さん…何を?」

「簡単なことじゃよ、これからここでヘビメ好みに育てていく、それもまたアート作りじゃないかと提案したんじゃ」

「毎日筋トレ頑張って」

 えぇ…肉体作りが仕事の管理人なんて聞いた事ないぞ…管理人なのに管理される側になってる…

「アタシヘビメ、週一チェックするからよろしく」

「…はい、宜しくお願いします」

「うむ、解決に向けて頼むぞ縁!」


 部屋を後にしたが強制トレーニングが待つ事に先が思いやられる

 対照的に狐音は上機嫌だ

「いやー皆の気持ちが晴れてくれるのは良い事じゃ、助かるわい」

 この様子だと残る二部屋も覚悟しといた方が良いだろう


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