美少女とおじやと
朝の日差しが眩しい…鳥がチュンチュン鳴いてる…横に幼い顔立ちの少女がスヤスヤ寝息を立てている…
(寝息を…立てている…?)
ハッと覚醒した縁は跳ね起き色々確認をした。
服着てない……ネコメはちゃんと服を着ている。
だが!だが!…これはやらかしたのか!?
ラインを超えたのか?何があった!?
何故こんな状況なのか、頭が痛む。
(昨日ドラム缶風呂完成して、共同作業と自分のちゃんとした歓迎会って事になって…あぁ狐音さんユウメさんスズメさんにしこたま飲まされたんだ)
徐々に思い出してきた、割と派手な宴となり飲んで騒ぐ酒好き女性陣を見ていたんだ。それが少しずつ忍び寄り捕まったのだろう。
だがまあそこまでは覚えている、じゃあこの横で可愛らしく寝ているネコメは何してるんだ?
(部屋に戻ったのか投げ込まれたのかもわからないが、ネコメは酒を飲んで無かったはずだ)
何かしてしまったかと頭を抱えて悶える縁に起きたのかモゾモゾしだしたネコメはむにゃむにゃしながら縁を見て微笑み「おはようお兄ちゃん」と挨拶をする。
(この子は本当に可愛らしい子だ)
そんな感想が浮かぶが今はそうじゃない。
「お、おはようネコメちゃん、何でここに?」
「昨日お兄ちゃんが酔い潰れたからスズメさんが運んだんだよ、で寂しくないように横で一緒に寝てあげてって言われたの」
どうやらこの朝の犯人はスズメだったようだ、やりたい放題の大人組だったが今後気を付けないとどんな目に遭うか想像が付かない。
「あ、ありがとうねスズメちゃん、もう家に帰って大丈夫だからね…」
ニコッと笑って応えてくれるこの子は良い子だ。
二日酔いの痛みを抱えながら外に出る、朝と言うより昼近い太陽の昇り方をしている。
少し離れたとこに昨日完成したドラム缶風呂が鎮座しており、存在感が凄い。綺麗に塗られ細かなイラストまで施されている、ヘビメの筆が動き続けた成果である。
まだ温泉改修までは使わないが一度試し焚きしたほうが良いかもと思いつつ、昨夜騒ぎ倒していた調理場の丸太小屋を見る。
「片付けたほうが良いかな」
縁は呟き調理場に入っていく、すると中に人影が。
「あら縁さんおはようございます〜」
今朝のネコメを横に寝かせた犯人のスズメが何やら作っている、優しい香りがする。
「おはようございますスズメさん、何作ってるんですか?」
「あ〜これはおじやですよ、狐音さんもユウメさんも飲み過ぎて二日酔いみたいなんで、ふふふ」
自分は何も無いかのように良い笑顔でおじやを作っている。スズメはどうも異常に酒が強いようだ、狐音とユウメのコンビも相当強いはずだが…
「ハイ、どうぞ今朝のお詫びです〜」
コトっとおじや入りのお椀が置かれスズメを見る。
「ネコメさんは縁さんに懐いてますね〜」
それだけ言い残し鼻歌歌いながらアパートへ鍋を持って行ったスズメ、イタズラ好きなお姉さんだが一番しっかりしてるのかもしれないな。
「美味っ」
頂いたおじやがこの上なく優しい味だが、それが良い。
スズメに感謝しながらゆっくり味わった。




