イメージ
縁は温泉周りを眺めてイメージを膨らませていた。
商業施設でも温泉宿でもない、ただ石壁を添えて形にしているだけの温泉。こんな周りに民家も何も無い所だから出来る形だが女性陣だけしか居ない中で、よく許容されているなと頭を抱えてしまう。
本当ならしっかり温泉自体を囲って外から見えないようにもしたいし、男女別で脱衣所も欲しい。
だが、どう考えても工事のレベルで個人でやるには知識も技術も及ばなさ過ぎる。
「何してるのアンタ」
ふと呼び掛けられ振り向けばヘビメが立っていた、幸い服は着ているので助かった。
「いやヘビメさん、実は――」
「――ふーん、脱衣所と壁ね…」
事の顛末を話してみたが意外にも考え込んでいる、ヘビメはアート以外に興味無さそうなのだが…
「それってデザイン出来るの?」
「へ?いやまだ建てれるかもわからないですよ?」
「建築出来たら良いんでしょ?ツテがあるわよ」
何だと?ヘビメから繋がるツテ?
「でも建物になっちゃうんで資格がどうとか狐音さんが言ってましたし…」
「狐音が言う資格はアンタにわからないわよ、ちょっと待ってなさい話してくる」
「え、え?」
スタスタと行ってしまった、わからない資格って何だ?話って狐音とだろうが…
五分程でヘビメが帰ってきた。
「了承取ったわよ、アタシの知り合いに建築出来る奴が居るから依頼してデザインはアタシがするわ」
「え!?いくら掛かるとか時間とかは…」
「大丈夫、お金は狐音が出すからアンタとアタシで工程確認するわよ」
こんなにあっさりと進むとは…結構お金掛かりそうだが、やはり狐音はお金持ちなんだろうか?
しかし考えても今更だ、むしろ要望が通った事に感謝しよう。
「ウチに来なさい、ざっくりアンタがしたい案まとめるわよ」
「はい!ヘビメさん!」
まさかの展開になってるが、やれるなら全力でやろう。縁は気合いを入れた。




