縁陳情
幽荘に来て早くも数週間経つ。
縁は様々な住人と様々なアクシデントも含めて交流を深めていた。
「……決めた!」
縁はこれまでで一番の気合いを入れて狐音の元へと向かった。
コンコン
「狐音さーん、お願いをしに参りました」
ガチャ
「なんじゃ朝っぱらからお主…アタタ」
「また飲み散らかしてたんですか…そんなことよりです」
「そんな事ってお主、二日酔いに響くから優しく言っとくれ」
「温泉に脱衣所を作りましょう」
縁は幽荘に来てこれまでで最も困るのが温泉であったのだ、既に三人のお姉さん方と意図せず混浴している。
嬉しくない訳では無いが困惑の方が強いのだ、しかも入ってくる女性陣は気にした事かとちょっかいまで掛ける始末。数日前にも酔った狐音とユウメに挟まれのぼせた上に素っ裸で二人に運ばれたのだ。
「いつか僕が温泉で死にます」
「なんじゃそら…まあ欲しいなら構わんが作るのか?お主が?」
「いえ、自分ではさすがに無理なんで業者を探したいです」
「むー、業者の〜資格持ちを当たるかのぅ」
以前も言っていたが資格とはなんなのか?ともあれ何とかしないと人生の最期が温泉混浴死になってしまう。
「お主あれじゃな、女の耐性が無さすぎじゃの」
「ぐっ」
かなり心に刺さるナイフを突き立てられたが、仕方ない。これまでお付き合いの経験等無い純真な男で生きてきたのだから。
「とりあえずわかったわかった、儂の方で探してみるから今は寝かせてくれ…アタタ」
狐音は頭を抑えながら部屋に帰って行った…ユウメが幽荘に帰ってる間は二日酔いがデフォルトらしい。
対してユウメは何事も無くケロッとして毎晩狐音宅に押し掛けていく、飲みに誘われたがついていける自信は無い。
とにかく要望は出したがあれでまともに動いてくれるのか心配だ…
別の手も考えた方が良いかもしれない。




