見られてる
「なぬ?皆の事を知りたいじゃと?」
相変わらず午前中の防御力薄く際どい服の狐音があくびをしながら出てくる。
「はい、部屋も落ち着いたし来た時は便利屋みたいな動きしてましたけど管理人として動くなら少しは皆を知った方が良いかなって思いまして」
「ふーむ、お主は真面目じゃのー」
ぽかんと言われても困るのだが…
「とりあえず狐音さんは両親とどんな繋がりがあるんですか?」
「む、隆二と里子のぅ…どこから話せば良いものか」
なんか深刻な話になる?長くなる?あまり聞いちゃダメなやつ?
「あやつらこの地域にあった村の出身だったんじゃよ、で駆け落ちして縁が産まれたんじゃな」
思ってたよりあっさりバッサリサラッと自分に辿り着いた!
「うぇ?駆け落ち!?」
「うむ、まあ今度会ったら聞いてみるがよいぞ」
「あんまり聞きたくない気も…」
「とりあえず今言えるのはここまでじゃな、儂今日はお出掛けするからまた今度の〜」
パタンと扉は閉まってしまった、いきなり両親の出身から駆け落ちから自分が産まれたまで聞いてしまうとは思わない。
また機会設けて聞いてみるしか無いだろう、一旦自室に戻ろうとした時だった。
(ん?)
何かに見つめられている様な気がした。確かここに来た始めの方にも似た事があったが…
奇妙な感覚に首を傾げながら自室へと戻る。
部屋の小さな机に向かい息を吐いた時だった。
カサッ
何かの気配を感じる、背後からだが…ゴキブリだったらどうしよう。
都会育ちの縁、対処は出来なくは無いが出来れば出会いたく無い奴ではある。
ゆっくり背後を見る為、動きに勘付かれないようゆっくり少しずつ振り返る。
壁の下範囲、畳との角辺りを目で追う。
すると、目が合った。
文字通りの「目」がこちらを凝視しており、それと目が合ったのである。
「うわぁぁおお!!!」
縁は人生トップクラスの叫び声を上げて腰を抜かし、意識が遠く離れていくのを感じたところで途切れてしまった。




