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女神のミッションが理不尽すぎる。  作者: 心理的に学生
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第1話 チュートリアル〜そして新たな仲間〜

長いこと彷徨っている夢を見てた気がする。

気持ちよかった。


だが、その夢も終わりに近づいてきた気がする。そろそろ起きる時間だ。


「みんな、うるさいよ…。もう少し寝かせてくれ……。」


ダメだ!悠馬!

目を覚ませ!!!

起きろ!

諦めるな!!

……。


◇◇


布団の中って温かいな…。

落ち着く場所だ。

でも、今日はなんか床が硬いな。まるで、石みたいだな。

半目で床を見る。

灰色だった。


ん?

待て。

なぜ、灰色なんだ?今まで家のベットで寝てた気がするんだけど?


驚いて目を開ける。


目の前が、灰色の物体で覆われていることに気がつく。


岩の壁だった。


「なっ!どこだよ、ここ?!」


俺は、洞窟の中で目を覚ました。


しばらく歩いていった。だが、岩の壁が続くばかりで、出口の気配が感じられない。


「やばい、やばい」


その時、どこからか声が聞こえた。頭の奥に響くような声だった。


(ふわああ。お、悠馬?起きた?)

「うわっ!!誰だ?!」


あたりを見回してみる。

でも、周りには何もなく、ただ岩の壁が洞窟が続いているだけだった。


誘拐なのか?

なんだこれ。めっちゃ怖いんだけど。

デスゲームでも始まるのか?


「だれ…ですか?」

(私だよ私。まさかわからないとは言わないよね?)

「え?」


誰なんだ?

俺をここに連れてきた犯人か?

そもそもここはどこなんだ?これは夢なのか?

本当にだれ?


「わからないです、誰ですか?」

(え、まさかほんとにわからないの?私のこと忘れちゃったの?)


いや、忘れるも何も、そもそも会ったことないだろ。何を言ってるんだ、この声は。


それとも、俺がどうかしちゃったのか?


「全然わからないです…。」

(うそ!冗談だよね?私傷つくよ?!)


俺は戸惑った。

声が続けた。


(はあ…もういいよ。ネタばらしするね。上見てみて?)


俺は上を見た。


その途端、俺の頭の上の何かと目が合った。


「うわああああああ!!!」

(うわああああああ!!急に叫ばないでよ!!びっくりするじゃん!)


俺の頭の上に得体のしれない何かがいた。

そいつは、下半身が透明になっている女だった。

それに、浮かんでいた。

まさか…


「幽霊?!な、なんだよ、お前?!」

(落ち着いてって。悠馬。私をよく見て?)


よく見てみる。


……。


なんか見覚えがある気がするけど思い出せない。誰?


「…ごめん、俺、あんたが誰なのかわからない。」

(え!?なん……。ああ…女神様が言ってたのはこういうことだったのか。)


幽霊は、少し残念そうな顔をした。


「え?」

(いや、こっちの話。気にしないで。うん。じゃあ、悠馬が知らないようなので、自己紹介タイムー!)


(ぱちぱちぱち)

幽霊が手を叩いた。


(私はミナ!あなたの案内人だよ。)

「案内人?」

(そう。あなたを正しい因果に導けるように、案内するの。)

「因果?」

(うん因果。あなたが運命を外れないようにね。)


「俺が、運命から外れないように…?」

(うん、よろしくね!悠馬?)


なんだかよく分からないけど、俺を導いてくれるのか。

それは助かる。


「ああ。よろしく。」


俺も自己紹介しよう。


「俺は神代悠馬。高校生だ。得意なことは…演技?」

 

演劇部所属だしね。でもそれ以外特にない。


(うん、悠馬。知ってるよ。演技が得意なこともね。君は私が生きていたときの相棒だよ。)


俺の相棒…?何の話だ?


「俺の相棒がお前だって?そんなの知らないんだけど。」

(……ああ、そうだった。記憶がないんだったね。それは、後ほど話すことにしよう。)


ミナは俺の目の前まで降りてくると、横を見た。


(それより、横を見て。話しているうちに敵が来たわ。)


聞いたことあるセリフだな。


そう思いながら俺は横を見た。


と、そこには

―――緑の怪物がいた。

耳が少し長くて、俺より少し背が低いぐらいだった。

ゲームで何回も見たことがある。


「な、まさか、ゴブリン?!」

(そう。来るよ!構えて!)


何?!いきなりなんなんだよ!


「ギギッ!ギィィィッ!」


ああもう、クソっ!どうしたらいいんだよ!


ゴブリンが走ってくる。


やるしかない!

俺は拳を握った。


ゴブリンの足が地面を蹴った。

俺にジャンプ攻撃してくるつもりだ!

やばいっ!!


「うわあああああ!」


俺は、手を目の前にして顔をかばった。


(何やってんのよ!腰抜け!普段もっと強いじゃん!!もっと頑張りなさいよ!)


そんなの知らねえよ!!!いきなり戦えるわけないじゃん!


ゴブリンの棍棒が迫ってくる。目を強くつぶった。


まずい、当たったら死ぬ!

脳震盪のうしんとう、で!


こつん。


「うわあああ!ああ……ああ?」 


あれ?痛く…ない?なぜ?外れた?


「何だ?」


目を開く。


(ね?)


ミナが自分ごとのように頷いている。


(言ったでしょ、悠馬は強いんだって!このくらいの攻撃なんか気にしなくていいんだよ!)


この子はなんで自分事みたいに…。


でも、確かに、ゴブリンの棍棒が俺の頭と接触している。


俺が思っているように痛くはなかった。ラッキー?だ。


俺が安心しかけたその瞬間、


(あっそうだった。言い忘れてた、悠馬、驚かないでね。)


え?なに?


いきなり視界の端に文字が浮かんできた。


―――――――――――――――――

低級の存在からの攻撃を感知しました。

《処刑》を起動します。

―――――――――――――――――


「うおっ」


なんだ?なにが――


「えっ?!ぎゃぁぁぁぁあ!」

(ふふっ。これが悠馬が、私とかを除いて、みんなに怖がられた理由の一つだよ。)


見ると、俺の腹のあたりから、触手が生えてきていた。触手、というより、黒い煙で構成された腕?みたいだった。


いや、でも吸盤みたいなの付いてるから触手なのか?


そんなのはどうでもいい、とにかくきもい。きもすぎる!


「なにこれ?!なんとかしてくれ!幽霊!」

(私は幽霊じゃない!、ミナだよ。それはほっとけば直るかは大丈夫。問題はそれじゃないんだよ。まあ、見てな。)


すると、触手が勝手にゴブリンの方へ伸びていった。


「ギッ、ギエエェェ!」


ゴブリンが怖気付いて、後ずさる。


それはゴブリンの体を絡め取ると、なんと、黒っぽい霧に包んで、食い始めた!


「な、何してるんだよ、これは?!ミナ?!」


ミナは笑いながら言った。


(触手ちゃんはゴブリンを食べてるだけだよ?)


おえええ。俺の腹から出てきて、しかも食うとか。

最悪だ。


―――しかし、なんだか変な感じがするな?


触手の先に味覚を感じるのだ。

オニオンドレッシングをたっぷりかけた、サラダの味に、似てる。

…いや、どういうこと?


「あれ、なんか美味しいんだけどなんでだ?」

(その触手は悠馬の体の一部なんだよ。)


…?!寄生されてるとかじゃなくて?俺の体の一部なの? 


「舌みたいな感じ?」

(そんなもんだと思う。そして、それは悠馬のスキルの一つ。《捕食》の力だよ。)


スキル持ちだったのか、俺。


「何かはよくわかんないけど、とにかくすごくうまいなこれ。」


ほんとに美味しい。


「うん。これは…星5だな。」

(そうなの?前に悠馬はこれよりおいしいのがたくさんあるって言ってたけど。)


その時、腹の方から声がした。


「うまうまうま。」


なにっ?!


「へっ?!」


しゃ、喋った?!


(そう。これが本当の気持ち悪がられる理由なの。その子、喋るんだよ。)


なんでだよ?!

俺は何者なんだよ一体…。なんか、もう、驚きすぎて疲れた……。


俺は床に座り込んだ。


触手が覗き込んでくる。


「うまうま。おおっ?!ああっ、主ぃ!死んだのかと思ったよぉ!生きてたんだねぇ!よかったぁ。」


ぬるぬるしながら喋らないでくれ、俺の体。


「あ、うん。」

「ほんとに良かったよぉ!死んだら食べてあげるって約束したのにねぇ!はははは!」


そんな約束した覚えねえよ!!


ミナが触手の先に近づく。


(久しぶりだね!触手ちゃん!)

「あっ!ミナちゃん!復活したんだぁ?おいしかったよぉ!ありがとうねぇ!」


触手ちゃんの言葉に違和感を覚える。


「うん?これ、お前を食べたのか?」

(そうだよ。私が消滅しかける直前、この子が私を食ってくれたの。)


…まじかよ。


俺が考え込んでいると、ミナはあたりをきょろきょろして、言った。


(それより悠馬、休憩はそこまでにして、とりあえず進んだほうがいい。ここは、ダンジョンのどこかだから。)


「ああ?そうなのか。洞窟じゃなかったのか。」


ダンジョンといえば、魔物がたくさん出てくるところだよな。

いくら、触手ちゃんが強いとは言え、ずっといることはできないだろう。


「よし、じゃあ、行こう。」


俺は仲間を2人(?)連れて、進んでいった。


―――――――――――――――――――




読んでくれて、ありがとうございます!

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