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海中もくず  作者: 椎名 園学


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部屋に入ると、瞳がヘドバンしながらロックの曲を歌っていた。

「はい!くらげ!」

テレビには瞳が歌っているピンクの字幕に、さらに青色の字幕が出てくる。くらげはマイクを口に触れるスレスレで、必死に歌う。額からは汗が垂れていた。

「だいぶ楽しそうですね」

「二人で歌うのもあるの?」

「デュエット的なやつですね」

力哉ともくずさんは2人をみながらソファに座る。もくずさんはスっとお茶を飲み、そっと力哉を見つめた。力哉もコーラを飲みながらもくずさんと目が合う。コーラを飲み干し、コップを下ろす。

「どうかしたんですか?」

「力哉コーラ好きなんだと思って」

「ジュースの中やったら結構好きな方ですね」

「私もジュースだったらコーラが好きかな」

「意外ですね。そもそももくずさんがジュース飲む所あんま想像できないです」

「一年に一回くらい飲むくらいかな。お菓子とかもあんまり食べないし」

「じゃあお酒と自炊料理だけって結構健康に良い生活なんですね。俺と真反対です」

もくずさんは少し考えて

「いや、身体に悪いものも好きだよ。前フライドチキン食べた時すごい美味しかったし」

「本当は俺も自炊出来ればいいんですけど、味がおかしくなって美味しくなくなるんですよね」

「へー、力哉も自炊するんだ。なら今度食べに行ってもいい?」

「いいですけど多分もくずさんでも食べられませんよ」

「力哉の作るもの食べてみたいから大丈夫」


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