91
部屋に入ると、瞳がヘドバンしながらロックの曲を歌っていた。
「はい!くらげ!」
テレビには瞳が歌っているピンクの字幕に、さらに青色の字幕が出てくる。くらげはマイクを口に触れるスレスレで、必死に歌う。額からは汗が垂れていた。
「だいぶ楽しそうですね」
「二人で歌うのもあるの?」
「デュエット的なやつですね」
力哉ともくずさんは2人をみながらソファに座る。もくずさんはスっとお茶を飲み、そっと力哉を見つめた。力哉もコーラを飲みながらもくずさんと目が合う。コーラを飲み干し、コップを下ろす。
「どうかしたんですか?」
「力哉コーラ好きなんだと思って」
「ジュースの中やったら結構好きな方ですね」
「私もジュースだったらコーラが好きかな」
「意外ですね。そもそももくずさんがジュース飲む所あんま想像できないです」
「一年に一回くらい飲むくらいかな。お菓子とかもあんまり食べないし」
「じゃあお酒と自炊料理だけって結構健康に良い生活なんですね。俺と真反対です」
もくずさんは少し考えて
「いや、身体に悪いものも好きだよ。前フライドチキン食べた時すごい美味しかったし」
「本当は俺も自炊出来ればいいんですけど、味がおかしくなって美味しくなくなるんですよね」
「へー、力哉も自炊するんだ。なら今度食べに行ってもいい?」
「いいですけど多分もくずさんでも食べられませんよ」
「力哉の作るもの食べてみたいから大丈夫」




