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海中もくず  作者: 椎名 園学


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未成年飲酒は法律で禁止されています。絶対にやめましょう

「ママお酒あるって言ってたけど誰飲みたい人いる?」

丘のように積まれた肉を一口で入れ満足そうな顔をしながら瞳は平然とした口調でそういった

「力とか飲んでみたいと思ったことあるんじゃない?」

「いやー俺は別に」

もくずさんの家で二度たらふく飲んだことがあるとは口が裂けても言えない。苦笑いをうかべながらそういうと

「ならくらげ飲む?私飲んだことないから飲んでみたいんだよね、一人で飲むのはちょっとあれだし」

「飲んでみたいって言えばのんでみたいでやすけど、姫のお母さんにバレたら大変なことになんじゃないでやすか?」

「ママが場所教えてくれたんだから大丈夫だよ。それにママは中2から飲んでるから高一の私たちがのんでも何にも思わないと思うよ」

瞳は速足で冷蔵庫に駆け寄るとグラスを探し始める。その間今度はもくずさんが力哉の耳元で小さく愉快に

「力哉嘘つきだね」

「さすがにもくずさんの家以外で飲みませんよ」

「ならまた今度家で飲む?」

「もくずさんとお姉さんが大丈夫ならまら行きたいです」

「じゃまた遊びに来てね」

もくずさんが耳元から離れると同時に瞳がグラスを右半身で抱え、余った二つの手でビールやワイン、ウイスキー、檸檬サワーのもとに炭酸水とたくさんのお酒をもってきた

「あ、もくずさんに聞いてなかった!もくずさんも飲む?」

「いや大丈夫だよ」

「ほんじゃーくらげ君!飲みまっかー」

瞳はグラスの縁ぎりぎりまで黄金色に輝くウイスキーを注ぎ、くらげのグラスには香り深いワインをこれまた縁まで注ぐ。二人はグラスを「チリン!」と乾杯させると勢いよく飲み一口で飲み干した。

くらげは顔をしかめてまずそうな顔をするものの、瞳は何事もなかったかのように目をパチくりさせるだけだ

「なんか不思議な感じだね」

度数40度もあるウイスキーのロックを一気で飲み込む初飲酒者⋯

これを見てもくずさんの目つきは一気に変わった

「体に悪いし一杯だけにした方がいいんじゃない?」

「うーん」

瞳は再度ウイスキーを注ぐ

「もう一杯だけ」

瞳はウイスキーを口に運び、さっきとは違いゆっくり味わいながら口離すことなく飲み干した

「親分やめた方がいいですよ。体こわしちゃいますよ」

「杏奈ちゃんも飲む?意外と悪くないよ」

「前飲んだ時体真っ赤になったんでやめときます」

「え、杏奈ちゃん飲んだことあるの?」

お酒を飲んだ影響が瞳にはもう表れてきていて頬が赤くなってきている。

「昔ワイルドな人に憧れていたので、その時お父さんのビールをちょっとだけなめてみたんですけど、真っ赤になっちゃって夜お母さんにめっちゃ怒られました。お父さんはなぜか笑ってましたけど」

瞳はいつもよりも豪快に笑う。いつついだのか、今度は半分ほどまでウイスキーを飲んだ

「お、おいらももう一杯いただくでやす」

瞳にいいところを見せたかったのかくらげは瞳に見えやすくラインをグラスに注いだ。命のような美しい輝きがあるワインがグラスに程よく注がれる。くらげがボトルをテーブルに置いた時、瞳はくらげの頬をぶった

「未成年がお酒飲んだらだめだろーが!!」

率先して酒を飲み、自分に酒を進めてきた張本人が未成年飲酒を武力行使で注意した

酔っていなかったにも関わらずくらげは一瞬でしらふになった

「ん!杏奈ちゃんお酒飲んでないじゃん。私の酒が飲めないの?!」

瞳は厳しく杏奈を睨みつける。「すいません」と頭を下げ、瞳が口をつけたウイスキーの残りを一口で飲み込んだ

「ヒ、もくずさんが酔っておいらの家に襲来してきた時のこと思い出すでやす」

くらげは杏奈と瞳からバレないようソファに避難する。その発言に力哉ともくずさんどちらもが振り返った


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