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「みんなー夕ご飯できたわよー」
人生ゲームを終えて雑談に花を咲かせていた頃、瞳のお母さんの声がキッチンから聞こえてきた。
瞳に続いて全員がリビングに入る。リビングのテーブルにはさまざまな種類の刺身が人数分の皿に見栄え良く飾られ、テーブルの中央にはホットプレートが鎮座する。それを囲むのはとりわけ目を引き真紅の色をした新鮮みあふれる肉と肉に圧倒され影が薄くなっている野菜たちだった
「お肉が好きなのかお魚が好きなのかわからなかったからどっちも用意することにしたわ。みんなで仲良く食べてね。あ、あとお酒が飲みたい人がいたら冷蔵庫の中に良く冷えたビールとワインがあるから好きなグラスを棚から取って飲んでね。じゃあママはお邪魔になるわけにもいかないから隣の部屋にいるわね。何かあったら遠慮なく言ってね」
そう説明し終わると瞳のお母さんはすぐに隣の部屋に入っていった。
生まれてから一度も見たことが無いような豪勢な食事に三人は声が出ず立ちすくむ。ただ瞳は嬉しそうに目を輝かせ「めっちゃおいしそうだね」と呑気に頬を上げていた。
椅子に座った力哉は隣のもくずさんの耳に近づいて
「もくずさんお酒あるんですって」
「さすがにみんなの前では飲まないよ」
冗談交じりに言うともくずさんは笑って返した
「っさみんなー食べよ食べよ」
開幕の合図と言わんばかりに瞳が次々と肉をホットプレートに乗せていく。温めておいてくれたのか、すぐに肉がジュージュー声色をたてて焼けていく。真っ赤な肉が徐々においしそうな色に変わる。瞳はそれをみんなのさらにおいていった。高そうな焼肉のタレにつけて力哉は肉を頬張る。口の中では深いうまみが広がった
もくずさんは肉が配られても触らず、プレートに野菜を乗せて焼けたものをみんなに配っていった。
よく焼き色のついたピーマンを瞳のさらに乗せると「アリガトウ、モクズサン」と唇を噛んでいやそうな顔を殺しながら感謝した。
「野菜嫌いなの?」
「そんなことないけど⋯⋯苦手っていうか、まずいというか食べたくないっていうか」
「それ嫌いっていうんじゃないのか」
力哉がそういうと瞳は力哉をぎっと睨んで「昔みたいに力が野菜食べる係にしよ。私は頑張って力哉の分のお肉も食べるから」
力哉の口から「はあ」と思いため息が出た。やっぱり瞳はいつまでたっても相変わらずの瞳だった。
「なら私が瞳の野菜もらうから、瞳は私のお肉食べていいよ。私たぶんこんなに食べきれないから」
「え!いいの?」
瞳は目をまん丸にしながら野菜をもくずさんの方に回した。「ありがと」と受け取りもくずさんは焼けた肉を瞳のさらに移していく。そして力哉のさらにも肉をたくさん入れた
「力哉は食べ盛りだからたくさん食べないと」
「ありがとうございます」
受け取った肉を食べると力哉の顔には自然と笑みが浮かぶ、それを見てもくずさんもこっそり顔を緩めていた。
「良かったら力哉お刺身も食べる?おいしそうだよ?」
「うれしいですけどもらったらもくずさんの分がなくなるんで」
「!?!?。もくずさんいらないなら私がもらおうか?」
「姫!欲しいならおいらの食べるでやすか?」
「くらげくんのは食中毒とかなりそうだからいいや」
「おいらのもみんなとおんなじやつでやす!心配なら一回焼けば焼き魚として食べれるでやすよ?」
「おーくらげ賢いじゃん。塩もってくるからかけて食べよ」
塩を取りにいっている間、くらげがマグロや白身魚をプレートに乗せた。
魚は肉とは違った魚介の匂いを上げて食欲をそそる。
魚はすぐに火が通り焦げ色が付いたところで塩をかけそのまま直接口に運んだ。
「ぎょぎょぎょ!!」とどこかの人みたいな声をあげ瞳は落ちそうな頬を支えていた




