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海中もくず  作者: 椎名 園学


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「きったあぁぁぁぁ」

瞳は全身でガッツポーズをして、けだものの咆哮に近い叫び声でわめいた。

「ほっらみたかクソクラゲ。これが勝ち方よ」

お返しのお返しであずきはクッキーを4,5枚乱雑にくらげの口に入れ込む。「ふがふが」何か訴えるくらげの顎を手でわしづかんで力任せにクッキーをかみ砕かせた。

「あかん、脳汁出たわ。ごめんな一位はもらった」

力哉が瞳の持ち金を二倍した額の借金を3で割ってみんなに配る。くらげはただ茫然とクッキーを飲み込んでいた

「さー電気くらげ君の負けが確定したところで次もくずさんやっちゃって」

負けの可能性が格段、いやほぼほぼ絶対なくなった瞳は機嫌がよく鼻を高くしてもくずに番を回した。

前の番にくらった借金もプラスしてくらげがビリであるとはいえ、マイナスであるのは残る3人も同じ。

さっきまで穏やかだったもくずさんの目が鋭くなっていた


(もし私がまけたらなんていえばいいんだろ⋯ここで力哉っていったら変な空気なるかもしれないし、力哉が私のこと全然好きじゃなかったとき、多分付き合える可能性は無い⋯⋯⋯)

くらげ以上にもくずさんはこの戦いに必死になっていた。

もくずさんはそっとルーレットを回し駒を進める。

「結婚マス!!気になるあの事ご結婚。誰か一人指名したらその人と資産、借金を合わせて、お互いに二分割する。特大チャンス!!ルーレットを回して出た数×5万円ず残りの人からもらう(ご祝儀はこのマスに止まった人が総取り)。だって」

「もくずさん私と結婚しようよ私お金持ちだよ?」

「いいけど、私の借金背負うことになるよ?」

「そりゃ旦那の責務よ」

「ならじゃあ結婚しよ」

「親分、僕と結婚してくれないんですか?」

「杏奈ちゃんとはまた後で結婚しようね」

崩れ落ちる杏奈を適当な言葉で終わらせると、もくずさんはあまりのピンから疑似瞳と用意して車に乗せ、瞳は疑似もくずさんのピンを車に乗せた。

続けてもくずさんがルーレットを回す、ぎゅっと掌を合わせて祈る力哉とくらげの願いを無情に針は10を指した。これによってもくずさん、瞳、力哉、杏奈、くらげの順となった

杏奈が次の番を行っているのを横目に、もくずさんは頭を悩ませていた

(私が負けることはほとんどなくなったけど、このままじゃくらげが最下位になる⋯くらげの好きな人なんて興味ないしどうせ聞いてもアニメの知らないキャラだからな⋯⋯。どうにかして力哉を最下位にしないと)

ゴールまではそこまでマスは残っていない。だがゴール手前の数マスには天国地獄マスとでかでか書かれたマスがあった

(少し見た感じ一発逆転とか一発転落があるみたいだし、そこでくらげと杏奈を勝たせるか力哉を負けさせないと⋯)

「次もくずさんでやす」

終えた番はいつの間にか自分に戻ってきていた。

ゴールまではもくずさんが一番近く、たまたま順位と同じ並びになっている。

(4が出ればそのマスに着く)

もくずさんは心の掌で祈りながら、ルーレットを回した。4を指していた

「天国地獄マス!!あなたの勝敗はここで決まる!!天国地獄カードを一枚引く」

「はい、もくずさん。好きなカード選んでいいよ」

閻魔大王と女神が手を取り合ってダンスを踊る光景が書かれたボックスを瞳がもくずさんに差し出す。

中にはたくさんのカードが入っていた。

もくずさんは一番最初に降れた上のカードを避けて隅の方に隠れていたカードをあえて選んでめくった

「天国カード!!おめでとう。100万円を受け取ってそのままゴールとなる」

カードのなかで天使を抱いて微笑みかける女神がこちらを向いていた。

力哉とくらげに何の影響も与えないこのカードはもくずさんにとってこれは天国でも何でもなく地獄でしかない。


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