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皆さんは分からないことでことですが、実はこの話から5話ほど杏奈を出すのを忘れていたので杏奈を入れて作り直しています。杏奈が入っていないと気づいた時のあの絶望感は今年度一でした
現在2026年3月09日
「じゃじゃーん。綺麗でしょー」
マンションの一室に入ると、瞳はにこにこで腕を広げて部屋を見せる。
昔行った時は物を端に押しやって、なんとか二人が座れるスペースを確保していたが、今回は部屋の隅から隅まで、無駄なものは無く整えられていた。
「力だけなら、そのままでもいいんだけど、やっぱりもくずさんと杏奈ちゃんを呼ぶなら部屋くらい綺麗にしとこうかなって思ってね。夜3時まで片づけやったんだよ」
瞳はわざと眠そうに瞼をこすって、もはや定番のようにもくずさんに近づいて、ハグをねだろうと手を広げる。
「おいらで良かったらしてあげるでやすよ」
その瞳にやらしい顔したくらげが、ぼそっとつぶやいたのを、瞳は逃さず「は、しねーし。死ね」と深く睨んで舌を出した。ハグをしてあげようと、こちらも腕を広げていたもくずさんは静かに手を下ろしかけていたので
「いやーまって、ハグしてー!」
ほとんど閉じ切った腕の隙間に、無理やり頭を入れ込み、そのままぐりぐり頭を押し込んで木に抱き着くコアラのように、がっしりと包み込んだ。
「頭撫でてー」
「はいはい」
そういうもくずさんもそこまで嫌な顔をせずに、「よしよし」と瞳の頭を優しくなでる。瞳は瞳を閉じて癒しを、見ているとこっちが恥ずかしくなるほど甘えて切っておきながら「そういえば、私もくずさんのお姉ちゃんになることになったから」と真顔で言う
「へぇ。お姉ちゃんになったんだ」
もくずさんは完全にごっこ遊びに付き合う母親である
「そうだよ。今日から私が二人目のお姉ちゃんだから、いっぱいハグしてほしいなー」
「いいよ」
自分の幼馴染である瞳と自分の実の双子であるもくずさんが謎に兄弟になって甘やかしている。
「親分!なら僕も親分の妹にしてください」
「んー杏奈ちゃんならいいよ。ってことでもくずさんは三番目で杏奈ちゃんが四番目の姉妹ね」
兄弟に入れられて目を細く喜ぶ杏奈の後ろ。力哉とくらげはお互いに苦笑いで見つめあうと、こっそり耳元で
「女の人って難しいな」
「女にかかわったものはみんな堕ちていくって本に書いてあった気がするでやす。お互い気を付けるでやす」
小さく頷きあった。
「んじゃこれよ」
瞳は部屋の隅っこに置かれていたボードゲームを机の上に持ってくる。「人生ゲーム。天国と地獄編!!dead or alve!!」とまがまがいい炎をまとった閻魔大王とあどけない笑みで微笑む天使を抱く勝利の女神らしきものが書かれている。
「今日のために買ってきたんだよ。あ、くらげは負けたらこの代金支払ってもらうからね」
「ふぇ?!。おいらだけは酷いでやんす。みんなそれぞれ罰ゲームを決めるでやす」
そういうと、瞳はボードゲームを開ける手を止めて、視線をくらげに向ける。
「お。たまにはいいこと言うじゃん」
うんうんと頷きながら、くらげの背中をべしべし叩く。かなり強い力で叩いているようで目を閉じていたがっていながらも頬は上がって、ほめられたのを喜んでいるのが分かる
「じゃあ負けた人は好きな人発表で!あ、くらげが負けたら代金プラス好きな人だからね。はい、行こ!!」
手をぱちぱち叩きながら瞳は大急ぎで人生ゲームを広げ始める。流れで杏奈も手を叩く。
「杏奈ちゃんもそれでいいよね?」
「大丈夫です!僕ぜったい負けませんよー。親分一緒に協力しましょうね」
隣で青ざめるくらげと再び力哉は顔を見合わせる。
「まずいでやす⋯姫においらが実は二次元に押しキャラがいるってバレるでやす⋯いや、バレたら姫おいらのこと叩いてくれるでやすな」
頑張ってくらげに止めさせようと思ったが、くらげは叩かれることと言いながらにやにや気味悪く笑っている⋯多分、いや絶対叩かれたがっている。こうなれば望みは瞳を止めてくれるもくずさんしかいない
力哉はもくずさんの方を見て
「それはちょっとあれですよね、もくずさん」
もくずさんはじっと力哉を凝視した後、瞳の方を向いて
「いや、私もそのルールでいいと思うよ。楽しそうだし」
深く首を縦に振った




