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「あれってくらげだよね」
待ち合わせ場所の公園に行くと、遊具で戯れる幼児に異質な雰囲気を出してくらげらしき人がリュックを抱えベンチに座っていた
「おーいくらげ」
力哉が叫ぶとくらげは、手を振ろうと上げるが、すぐにもくずさんと目が会い固まった
「なんでいるの?瞳が来るなっていってたよね」
下を向いて目を合わせないくらげにもくずさんは詰めるように質問する。くらげは言葉を震わせながら
「あ⋯いやその、ラインで⋯来て良いって⋯許可もらいました」
「ライン見せて」
言葉と同じく震える手でくらげはもくずさんいスマホを渡す。いったい前教室でどんなことをされたのだとろうか⋯
きわどい水着姿のアニメキャラの壁紙を背景に
「お願いしやす。おいらも連れって言って欲しいでやす」
「無理んゴ」
「そこをなんとか」
「んーお菓子持ってきてくれるなら考えても」
「わかったでやす。家にたくさんあるでやす」
「ほんと!ならしゃーなしできていいよ」
「ありがとうございますでやす。全部持ってくるでやす」
パンパンに膨らんだリュックはそういうことだったのか⋯
「ふーん⋯いつもみたいな感じで水田家に迷惑かけたらダメだよ」
「子供じゃないんでやすからそんなことわかってるでやすよ」
「だってくらげいつもしてるじゃん」
「もーいつもいつももくずさんはうるさいんでやす。同じ日に生まれたくせに姉と一緒においらをばかにして、これからもそんなこと言うなら前のカツアゲのこと力哉に言うんでやすよ?」
「カツアゲ?」
くらげの言葉に力哉は?を浮かべて首をかしげる。
(言葉的にいうならもくずさんに関係したことになるけど、もくずさんがそんなことするのかな)
そう思う力哉を置いて、もくずさんはため息を漏らし顔から質素にする。そっとくらげの腕をつかんだ
「ヒヒ!何するつもりでやすか。また暴力振るつもりでやすか」
「暴力?また?」
くらげは何されるかわからず必死に暴れその場から逃げようともがく。そんな手を軽くあしっらて、もくずさんはくらげの両手を片手でつかみ、
「ちょっとくらげとトイレ行ってくるね」
公衆トイレに向かった
「ひ」
抵抗するくらげを無理やり個室に入れ、鍵をかける。
「そのこと力哉に言わないでって言ったよね?」
「いや⋯だってその⋯」
「そもそも暴力振ってないし、カツアゲじゃなくてお金を借りただけだよね?借りたお金もすぐに返したし」
「⋯⋯⋯⋯」
くらげは何も言わない。
「力哉疑ってたからちゃんと説明してね。これ以上誤解させたら本当にあの卑猥なフィギュアの首折るからね」
くらげは何度も頭を下げる。もくずさんは鍵を開けてトイレを出た
「さっきのは間違えてたでやす。もくずさんはいい人でやす。何もされてないでやす。もくずさんはいい人でやす」
「って言ってますけど?」
言い方が変なせいで顔を引きつらせながら力哉はゆっくりもくずさんの顔を見る。もくずさんは静かに低く舌打ちをするとまたくらげに近づく
「ひぇすいません。本当に何もされてません。暴力も振られてないし貸したお金もすぐに返していただきました」
いつもの喋り方を忘れながら早口でそう言った時、近くに一台の車が止まる。大型車の窓が開き、
「おまたせー。みんな乗ってー」
瞳が顔を出した
約二年ぶりに乗った瞳家の車は、久々なこともあって非常に広く感じる。
実年齢20下に見える瞳のお母さんは相変わらず元気そうだ
「力哉君久しぶりねえ。瞳ちゃんが迷惑かけてない?」
「いつも楽しませてもらってます」
「ママ変なこと言わないでよ」
瞳はいやそうな顔でお茶を飲む。学校ではいつもジュースを飲んでいる瞳は家が厳しく、母の前で体に悪いものを食べられないらしい
「二人は前言ってた新しくできたお友達かしら。とっても美人さんねぇ、モデルさんか何かされてるの?」
力哉に続き挨拶をして車に乗るもくずさんに、瞳のお母さんが尋ねる
「特にそういうことは」
「あらそうなの。整ったお顔だから、女優さんかもって思っちゃったわ。とってもモテるでしょう?」
「いえ、全然です」
「えー意外ねえ。あれかしら、彼氏さんと仲良しで他の男の子が寄ってこない感じかしら」
瞳の母からの質問に戸惑うもくずさん。そこまで言うと、瞳が口をとがらせて
「ママ、もくずさん困ってるからもうやめて」
「あらそうなの、ごめんなさいねえ。ママ昔女の子と付き合ってた時期あって、お顔が似てたから昔のこと思い出しちゃって。けど安心して、もちろんママをもうそんなに若くないから狙ったりとかしてないわよ」
笑いながら車を走らせながら突如そんなことを言い出す瞳の母に、搭乗者三名は顔を引きつって苦笑いを浮かべ、瞳は絶句し口を開けたまま固まっていた




