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海中もくず  作者: 椎名 園学


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39/54

瞳㉟5

「I see the valentaine・valentaine,・valentaine

I see the valentaine as I fall in love

when you cought a star , it was venus----but

now it is past」

色とりどりのシャンプーが並ぶ浴室で、瞳はシャワーで頭を濡らし、歌詞があっているか曖昧な洋楽を口ずさむ。着替え部屋から誰かが入ってきて、優しくノックした

「瞳ちゃん。いつものコーヒ牛乳冷蔵庫にあるから良かったら飲んでね。あとママ明日お仕事早くから行かないといけないから悪いんだけど明日は電車で行くこと出来ないかしら?」

「わかったー。じゃあ家出てくとき起こしていってくれない?」

「わかったわ。あと瞳ちゃん最近お勉強大変だと思うから、ちょっとだけだけどまたお小遣い置いとくわね」

「ありがとママ大好きー」

「ママも瞳ちゃんのこと大好きよ。おやすみ瞳ちゃん」

瞳の母が去っていく。ちょうど体を洗い終えた瞳は入れ違うように着替え場に入っていく。五本の歯ブラシが入ったコップの隣に「お小遣い」と達筆で書かれたポチ袋が置いてあった。タオルで体をふき終え袋を開ける。三万円が出てきた

「やった。ママ大好き」

何に使おうかな、といっても参考書かご飯以外ほとんど使い道がなく、一週間前にもらった5万円もまだ二千円もつかってなかった、前のお寿司みたいにみんなでご飯行きたいなと思うも、力哉から聞く限りもくずさんの金銭状況は気を付けなければならない。かといってクラスの他の女子とご飯に行けば、楽しいのはお店に着くまでご飯の話をしている時だけで、途中から好きな人や嫌いな人の愚痴になるのが目に見えている。中でももくずさんへの嫌味はひどく、話を聞くたびにスケールアップしていて、ここまで仲良くなった瞳にとって、もくずさんの悪口を聞くのは耐えがたい苦痛であった。

一人でカフェでも行こうかな。最近塾は授業が無く自習ばかりなので、正直モチベーションが低くなっている。気分転換もかねていつもと違う場所で勉強しようかと考えた。

けどどうせならみんなで行きたいし⋯力哉二人で行ったらもくずさんをハブいたみたいだからな⋯⋯⋯

ドライヤーで頭を乾かし終え、歯ブラシを手に取る。歯磨き粉をつけようと視線を下げると、スマホに通知が来ているのが見えた

「親分!明日の科学抜き打ちで小テストやるらしいです。同じ部活の人が昨日の科学でやったらしいので間違いないです」

帰るとき交換したばかりの杏奈からのラインだった

「あ、杏奈と行けばいっか」

真面目そうな感じだったし勉強を誘っても来るかもしれない。もっと仲良くなれるかもしれないし

明日学校で誘おうと決め、歯ブラシを口元に運び、歯に当てた。歯磨き粉をつけるのを忘れていたので、じゃらじゃらいうだけだった


久しぶりの一人通学を、瞳は変に浮かれていた

帰りに一人で帰ることは月に一度程度あるが行きを一人でというのは年に一度あるかないかのことなので、切符購入を押す指先もスキップをしているような、どこか軽やかさを帯びていた

ホームに響く音楽に単語帳を閉じる。星山高校の制服姿が電車に入り、瞳も続いて乗り込んだ

津幡駅到着にほかの搭乗者も一斉に降りだす。

少しして金沢方面の電車がやってきて瞳を運ぶ。東金沢に着くとまぶしい日差しが指す中、犬一番に改札を抜けた。駅の階段を降りると、皆こぞってスマホを取り出し、顔を画面に向ける。

最近見たゾンビ映画みたいだなぁと一人思い歩く。

一年ぶりに登校通路を渡るが、前も同じような季節だったのでこれと言って変わったところがない。しいていえば、うどん屋さんの隣にあった家が一軒なくなっていたくらいだ。といっても前一回見ただけなので、瞳の勘違いで元からそんなものなかったという可能性も十分にある⋯

赤信号に止められ外車が何台か金沢方面に走るのを見ていると見覚えのある銀髪ウルフの人が左からあるいてきているのが見えた

「あ、もくずさん。おはよー」

手を振るともくずさんも手を振り返す

「おはよ。珍しいね」

「今日だけたまたま歩いて登校することになったんだ」

「そうなんだ。確か力哉と同じで富山出身だよね?」

「そうだよ。本当は私も一人暮らししたかったんだけど親から許可もらえなくて。もくずさんはどこにすでるの?」

「近くのアパートにお姉ちゃんと二人で暮らしてる」

「前言ってたお姉さんじゃん。私も会ってみたいな」

「たぶん仲良くなれると思うよ。二人とも似てるし」

信号が青に変わり皆前へ進む。

「そういえば最近力となんかあった?」



瞳をメインで書いてないことに気づいたので書きました

寿司だはプラスになりました

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