不審者㉞
くどいは石川弁で味が濃いということです
鍋の中でとことこ煮詰まる汁を小皿によそい、味をみる。
「ちょっとくどいかも」
醤油を入れすぎたんだろう。まぁタダでさえ味が濃いのが好きな姉は働いてくたくたになったらこのくらいの方が良いかもしれない。コンロを捻り火を止める。白い湯気が空いた窓の隙間から、風に流されとんだ行く。炊飯器のメーターは20分後を表している。時間から考え姉が帰ってくる頃に炊き上がる予定だ。
ちゃぶ台に胡坐をかき、静かに煙草を取り出し火をつけた。
「⋯今年も文化祭か」
口から煙を吐き出すと、冷静になってしまい目を背けていたことが頭に浮かんでくる。
私立中学だったからか、中学校から文化祭があった
友達がいなかったので、屋台を回ることは無いし、カップルがいちゃいちゃしている声が四方八方から鳴ってくるだろうと休んでいたが。
力哉に瞳、もしかしたら今年の文化祭はいつもとは違うのかもしれない。
けれど、今年は二年生。出店を回るだけではなく、運営する必要がある。
運営となると二人以外のクラスの人とも連絡を取ってやる必要があるし、もし周る時間と運営の時間が二人と違った場合、今まで以上につらいものになるのは確実だろう
「出し物作るときの雰囲気見て決めようかな⋯」
幸い文化祭を引っ張って盛り上げていくとうなグループと瞳は仲良しなので、他人任せになってしまうが、何とかなる可能性もある。
「ピンポーン」
呼び鈴がなった
半分以上残った煙草を灰皿に押し、火を消す
「力哉の忘れものかな」
ご飯はもうできたし、食べて行ってくれないかな。
そう思いながらドアノブに手をかける。ドアノブを、回しほんの少し扉を開けたところ、扉の隙間から手が入り込む。不格好にところどころでかく、毛が生えた手だった
ガタンと鳴る扉に、驚き肩があがる。
扉ががたがた開いていき。隙間から顔を出す
「やっと見つけたよ。ふへぇ⋯。海中さん⋯」
鼻息を荒げ部屋に入ってきたのは今さっき帰った配達員だった
「ど、どなたですか?」
「ひどいねぇえ。知らない人のふりかなぁ」
とっさに身の危険を感じ、振り向いてしまう。
男はガットもくずさんの肩を掴むとそのまま、もくずさんを押し倒した
「海中さん、どこにいくの?」
倒れるときに体の向きが変わったせいで、仰向けになるもくずさんの腹部に男が乗り、馬乗りのような状態になっている。興奮気味に微笑む男の汗が数的もくずさんのワイシャツに染みていく
「ああごめんね。海中さんの服汚しちゃった。今脱ごうね」
男はもくずさんのワイシャツのボタンに手を伸ばす。
一瞬で何をされるか察したもくずさんの体は、血の気が引いていく。
心臓がおびえながらも、もくずさんは男の手を掴み、反対の手で男の顔面を殴った
力一杯に殴った拳は男の目元に直撃する。
男は唸り声をあげた。男の体が浮いたのか軽くなったのを感じて続けざまに、もくずさんは男の顔を殴る。男が手で顔を隠せば腹部を。
「ぶええ」
男は体を立ち上げた
息を整える暇もなく、起き上がり、もくずさんは扉へ向かう。逃げ切れるなら交番まで、無理なら力哉の家にでも。ドアノブ回し、扉が開く。その瞬間、後ろから口元に布切れが押し付けられる。呼吸が上がっており、それが何か視界に入った時には、その空気を吸ってしまっていた。やけに甘い匂いを感じると体の中心から徐々に力が抜けいき、視界が油絵のようになっていく、体を支える足が仕事を辞め、そのまま地面に倒れ落ちた
扉から半分体を出したまま倒れたもくずさんの体を見て男は歓喜し、拍手する。
「うおー。危ない。逃げたらダメだよ。お楽しみはこれからだからねぇ」
ぐったりとなったもくずさんの足を掴み。ずるずる中まで引きずり戻す。
扉を閉め。やらしく丁寧な手つきでもくずさんの体を仰向けに直す。
もくずさんの髪の毛をわしゃわしゃ雑に触り、続けて頬を触る。微声が聞こえてきた
「あーよかった。気絶してなくて。気絶しちゃったら海中さんも感じれないからね」
視線もくずさんの足元に移し、入念に靴下を脱ぎ取ると鼻に近づけた
「あーいい匂い。女の子の匂いがするよ。海中さんも嗅いでみる?」
反対の靴下をもくずさんの鼻に押し当てる。さっきのハンカチを嗅いでから息がしにくくなっており、靴下でさらに鼻孔が狭まると、鼻息が強くなりぜひぜひ言い出した。
「海中さん鼻息荒くなってるよ。あ、服のせいか。今脱ぎ脱ぎしましょうね」
再び馬乗りになってボタンを開けていく。一つ、また一つ。最後に一番したのボタンに手を伸ばす
「やめ⋯⋯て⋯」
迫ってくる手にもくずさんはよろよろと手を伸ばす
男は乱雑に手をどかし、もくずさんの純白の頬をぶった
ピシンッ
痛烈な音がなる
男は最後のボタンを開きワイシャツを開く。
「おお、絶景だねええええ」
満面の笑みで微笑む男、
「今日の下の下着はどんなのを履いてるのかな。といういか下着はどこに隠れてるんだろ。あったかいところかな?」
震えるもくずさんの下半身に、男は手を伸ばす、懇願の顔をしながらもくずさんは
「おねがい⋯やめ」
言い終えるより先に、男はまた頬を叩いた
「しつこいよ、しらけるから。次やったら、ごめんだけど殺すよ」
威嚇するよう男はそばに転がっていた瓶をガンともくずさん顔スレスレに叩きつける
興奮気味にいもくずさんの下着に手を伸ばす
「⋯⋯力哉⋯」
かすれてしまいそうな細い声で、もくずさん口から零れ落ちる
「力哉?さっきの男か。はあ、さてはあいつ彼氏だな。海中さんの部屋から商品を頼むくらいだし。でも残念彼氏は今駅の方に行ったから、ここには来ないよ」
冷たいもくずさんのお腹を男はすりすりさする。
反射的にもくずさんの体が震えだしたのを見て、笑みを浮かべると、もくずさんの顎から鼻を通ってておでこまで、ぐっちょりと唾液を塗りつけながら男の舌が駆けていく。顎のライン、瞼の上、耳。微かな抵抗しかできないもくずさんを嘲笑うかのようにむさぼった
「あ、っそうだ。僕の名前覚えてる?山岡勘大地だけど。僕の名前呼んでよ。勘大地様って、そしたら優しくしてあげるよ。さ言ってみてごらん」
男はもくずさんの口に耳を近づける。呼吸音まで聞こえるほど接近したところで、もくずさんは体をすこい上げ、耳にかみついた
「っ痛、なにすんの」
目をがっと開いて、もくずさんを睨み怒鳴り上げる
もくずさん隣に置いてあって瓶が視界に入りそれを持って台所に向かう
さっき吸ったものの影響で視界がふらふらとなったまま、もくずさんは視線を動かす。水道を捻って瓶の中に水を入れていた
「もう殺すことにしたから、死んでね。死んで抵抗しなくなってから体使わせてもらうことにするよ」
水がいっぱいになり瓶口からあふれると、瓶をもくずさんの頭の横におく
「じゃあ最終チャンスね「勘大地様、大好きです。一緒にしましょ」って言ったら殺さないで上げるよ、断ったら本当に殺すから」
男は立ち上がり、瓶をもくずさんの頭上に合わせてもつ
瓶口から垂れた水がぼたぼたもくずさんの顔に降りかかる
⋯前、力哉が助けてくれたのに⋯⋯⋯⋯初めては⋯好きな人とが良かったな⋯
そう思い口を開く
「⋯⋯勘大地⋯⋯」
「おお」
男は汚い声で喜び、耳をもくずさんに近づける
「⋯⋯⋯くたばれ⋯⋯」
もくずさんが口を閉じた途端、扉が開く
「財布無くしてしまったんですけど、置き忘れてなかったですか?」
力哉が扉から顔をのぞかせた
この物語(「海中もくずは今日も冷たい」のすべて)が終わった後に書こうと思っている、もくずさんの物語の内容がつらすぎて、若干鬱。もくずさん大好きです。幸せになって
書いとったらつらくなってくる。なんでもくずさんが不幸にならんとダメなんや⋯
色々あって内容を優しくしました。元のでは逃げようとしたもくずさんを瓶で殴り、耳を噛んだ後は男が数発殴る予定でした
そこまでしたら一週間ぐらいもくずさんが出れなくなってしまうので




