朝⓲
渦巻き型になった脳内は一晩越した程度で消えることは無く、ドアノブに手をかけた今この瞬間さえ最適解は導かれていなかった。解なしなのか
力哉の気持ちと裏腹に視界半分に城がる青い空は雲一つなく澄んでいて、太陽は牧歌的に町全体を照らしていた。隣の部屋の扉、正面のさびた手すりには薄い布団が掛けられていて、通ると優しい匂いがした
「あ、力哉」
赤くさびた階段の一歩目を踏んだ時、一番下で本を読んでいた彼女と目が会う。子犬らしきキャラクターの付箋を入れ、本を鞄に入れる。
「おはよ」
「おはようございます⋯」
不意に力哉の声が小さくなってしまう。何を言えばよいかわからず、そしてもくずさんもそうだろうと一人考えていると、力哉に財布を渡した
「昨日は迷惑かけさせてごめん。これ受け取れない」
「いえ、全然大丈夫ですよ。そのお金も俺が持ってても変なものに使ってしまいますから」
「おねえちゃんにも怒られてしまって」
「勝手にやってたんですか」
「うん。おねえちゃんが寝たすきにさくっと終わらせるつもりだったから。けどバレてしまって」
後味悪くもくずさんから財布を受け取る。きっとそれが顔に出ていたんだろう、もくずさんは付け足すように
「お金のことは大丈夫だから。親族の人が助けてくれることになって。それで罪滅ぼしってわけじゃないんだけど、もし力哉が良かったら」
力哉の瞼が一瞬閉じ心がしゅんと抑えられる感覚に落ちいてしまう。渦巻きが広がりを帯び始め鼓動が速くなるのを、構わずもくずさんは
「帰りにご飯食べに行かない?」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
個人的なことですが、もくずさんと力哉の距離が難しく訂正を繰り返しています。もくずさんの性格からして自分から行くということが少ないかつ力哉もそこまでぐいぐいじゃないので展開が難航し、結局を瞳に何度か助けてもらっています。登場人物の渋滞を避けたいのでキャラが少ないので、その分キャラへの愛を強めていただければと思います。
2章もよろしくお願いします
2025 9月16日




