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THE WORLD  作者: SEASONS
4月26日
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2333/2379

気持ちの整理

《サイド:澤木京一》


…うーん。



今日も良い天気だね。



僕達は今、首都イーファを離れて南部へと続く街道を歩いている。



しばらくはどの部隊にも所属せずに自由に行動して良いと言われたことで、

グランバニアのみんなと一緒にイーファ最南端にあるデニムの港を目指して移動しているんだ。



…たまには息抜きも必要かな?



軍隊の中にいるとなかなか心が安らぐ暇がないからね。


これからカーウェン連合国との決戦を迎える前に少しだけでも気分転換がしたいと考えた僕は、

康平と筑紫さんと那岐さんと菊地君と一緒に人気の少ない静かな街道をのんびりと歩いていた。



「何て言うか…平和だね。」



昨日まで戦争をしていたとは思えないほど平穏なんだ。


一応この街道の先にはアルバニアの陰陽師軍がデニムの港に向けて行軍しているはずだけど。


今のところ見える範囲内に軍隊の姿はない。



「次はカーウェンか。改めて考えると結構遠くまで来てるんだって実感するね。」



共和国を離れて。


セルビナを抜けて。


イーファを越えて。


カーウェンに向かう。



これまでの道程の間には様々な出来事があった。



…一生に一度の経験かな?



たぶん、もう二度とないと思う。


もちろん二度とあってはいけないとも思うけどね。



…まあ、仮に戦争が起きたとしても、もう捕虜にはなりたくないな。



もう一度あの苦しみを経験しろと言われたら、

さすがに耐えきれる自信がない。



…それでも引き受けてしまうんだろうね。



お人好しと言われたらそれまでだけど。


きっと嫌とは言えないと思うんだ。



…はぁ。



損な役割りばかりしてる気がする。



…まあ、そのおかげで何も失わずに済んだわけだけどね。



ここまで努力しても結果的にみんなが死んでいたとしたら悔やんでも悔やみきれないけれど。


こうしてまたみんなと一緒に行動できるようになったんだ。



…とりあえずはあまり考えないようにしよう。



思い出すと恐怖が蘇ってきて体が勝手に震えてしまうからね。



だから出来る限り思い出さないようにしておきたいんだ。



…ふう。



色々と考えてしまったけど。


ひとまず今はデニムに向かって進み続けることにしよう。



…気持ち的にはシェリルと一緒に行っても良かったけどね。



まあ、今は別行動で良いかな。



今ここにシェリルはいない。


桐島さん達と一緒にどこかの港へ向かっているからだ。



…たまにはゆっくり考える時間も欲しいし。



シェリルの傍にはいないほうがいいだろうね。



シェリルの傍にいると、

どうしてもシェリルのことが頭から離れなくなってしまうから。



そうなると落ち着いて物事を考えられなくなってしまうんだ。



…だから今はこれで良いはず。



自分自身に言い聞かせながら街道を進んでいく。



新たな戦場にたどり着く前に気持ちの整理をしたくてシェリルとは別行動を選んだんだ。



…少しずつで良いから、気持ちの整理がしたいな。



そのために。


大切な仲間達と一緒にのんびりとした時間を過ごすことにしたんだ。




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