一人で国と戦った英雄
《サイド:杞憂幻夜》
…ふふっ。
ははははっ!
すばらしいではないか。
「どうやら助かったようですね。」
「は、はいっ!」
目覚めた彼を見て微笑む俺に唯様も笑顔を見せてくれていた。
「良かったです。安心しました。」
「ええ、そうですね。これで共和国軍は戦意を高めるでしょう。」
彼の復帰は単なる喜びだけではなく、
共和国軍全体に影響を及ぼすと考えている。
「英雄とは存在そのものに価値があるのです。彼の存在は共和国軍にとって必ず良い方向へと動くでしょう。」
イーファ国内にいる魔術師は僅か300人程度でしかないが、
それでも彼の影響は共和国軍全体にまで広がるだろうと判断していた。
「御堂龍馬と並ぶ英雄の存在。彼は必ず共和国にとって良い影響となるはずです。」
セルビナにおいて名を馳せる御堂龍馬と、
イーファにおいて名を馳せる澤木京一。
二人の英雄の存在がこの先の国家再編成に大きな影響を及ぼすだろう。
「若き力は国の再編に最も必要な力です。彼もきっと今後の世界に影響を及ぼす一人となるでしょう。」
たった一人で国と戦った英雄だ。
彼の生存を心から喜びたいと思う。
「これで私達の計画はさらなる前進を果たしたと言えます。目指すべき理想のために、まずはイーファの制圧を完了させましょう。」
王族の捕獲と国家の解体のために動き出す。
目指すべき理想のために。
叶えるべき夢のために。
唯様と共に再び王城の内部へ歩みを進めることにした。




