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神のみぞ知る
《サイド:杞憂幻夜》
…ほう。
「どうやら天は彼を見放してはいないようですね。」
すでに手遅れだと判断していたのだが、
彼はまだ生きているらしい。
…とは言え。
間に合うかどうかは神のみぞ知る…というところだろうか。
意識を失い。
心臓が止まり。
死が確定したはずなのだ。
そこから絶望が覆る可能性は限りなく0に近い。
…だが、それでもだ。
「もしも彼が目覚めるとすれば、それこそ運命というべきかもしれませんね。」
「………。」
呆然と立ち尽くす唯様に語りかけてみたのだが、
俺の言葉をちゃんと聞いているのかは疑わしい雰囲気だった。
「唯様?」
「………。」
まだ気持ちの整理が出来ていないようだな。
だがそれでもあえて語り続けることにした。
「落ち込んでいる場合ではありません。彼の生死の行く末を私達も見届けに行きましょう。奇跡が起こりえるのかどうか?彼の運命を見届けましょう。」
このまま死を迎えるのか?
それとも再び目覚めるのか?
その結末を見届けるために唯様の手を引いて歩き出す。
唯様に現実を教えるために。
唯様に真実を伝えるために。
足早に拷問部屋を出ることにした。




