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THE WORLD  作者: SEASONS
4月25日
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2299/2319

辿り着けたのかな

《サイド:澤木京一》



………。



僕の目の前にいる人は誰だろう?



初めて聞く声だし、

何だかとても甘い香りがする。



出来ることならどんな人なのか見てみたいんだけど。


残念なことに僕の目はもう何も見えないんだ。



だから目の前にいる人物を想像することしか出来なかった。



「謝らなくて、良いんだ…。」



これは僕が望んだ結果だから。


僕が選んだ結末だから。



「きみは…何も悪くない、よ。きみが、僕に対して責任を感じる必要は…ないんだ。これは…僕が望んだ、結果なんだから…ね。」



二度と動けない体。


二度と見えない瞳。



それでも僕は幸せだと思っている。



「みんなが…生きているんだ。そして、すぐそこまで…来てくれているんだ…。それだけで、僕は…十分、なんだよ。みんなが…生きていてくれるのなら…みんなが、無事でいてくれるなら…僕は、満足なんだ。」



後悔はない。


絶望する必要もない。



ただ一つの願いのために、

この身体を捧げると決めたんだから。



だからこの想いが果たされたのなら、

もう望むべきことは何もない。



「悔いは、ないよ…。僕は…僕の想いを、貫いたんだ…。だから…これで、良い…んだ。」



もう戦う必要はない。


もう堪える必要もない。



そしてもう…失うモノも…何もない。



「…ああ、御堂…。きみもきっと…こんな気持ちだったのかな…?」



仲間の為に想いを貫くということ。


ずっと求めていた心の強さを手に入れることと引き換えに、

僕は多くのモノを失ってしまったのかもしれない。



「御堂…。僕はきみに辿り着けたのかな…?僕はきみに近付けたのかな…?」



絶望を知り。


絶望を乗り越え。


自らの想いを貫き通した。



そうしてたどり着いた結果によって、

僕の心は自分でも不思議に思うくらい安らぎで満たされていた。



「きっと、これで良いんだ…。」



悔いはないと思うだけで僕の心は満たされていく。



…だけど。



もしも一つだけ願いが叶うのなら。



…御堂。



出来ることならもう一度。



…きみと戦いたかったな。



今となってはもう手遅れだけど。


それでも叶わない夢を想いながら、

目の前にいる人物に微笑みを向けることにしたんだ。



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