彩花一色
「お帰りなさいですぅ♪」
…うんうん。
相変わらず元気な声ね。
私に笑顔を向けてくれたあずさに振り向いてみる。
見た目はあまり変わってないけど。
数日前に比べると少しだけ雰囲気が変わったような気はするわ。
…何ていうのかな?
無邪気な笑顔に威圧感が含まれた感じ?
上手く説明できないけど。
以前よりも自信が増したって感じかも?
「ただいま、あずさ。元気にしてた?」
「はいですぅ♪私はいつでも元気ですよぉ♪」
いつもと変わらない笑顔だけど。
笑顔の奥の疲労は隠しきれてない感じがあるわね。
…まあ、このくらいなら休めば治る範囲かな?
ひとまず心配する必要はないと判断しておくことにしたわ。
「それはそれとして、あずさもちゃんと成長してるみたいね。」
「当然ですぅ♪お姉様の為に強くなりますぅ♪」
…うぅ~ん。
彩花のために、ね。
…やっぱり変わってないかも?
ちょっとは成長したような気がしていたけど。
中身は全く変わってなかったのよ。
誰よりも信頼して愛する彩花の為だけに努力を続けるあずさの性格は何一つ変わってないみたい。
…本当に心の底から彩花一色よね~。
私に向ける笑顔に偽りはないけれど。
根本的にあずさの心は『ほぼ100%』彩花のことしか考えてないから。
…まあ、そのほうがあずさらしいわね。
元々そういう子だと分かっているから、
今更驚きはしないわ。
だけど実際にあずさの心を知ってしまうと、
引くというよりも尊敬すら感じてしまうわね。
これほどまでに彩花だけを想って生きているあずさの一途さが眩しく感じられるからよ。
「あずさはあずさってことね。」
「?」
苦笑いを浮かべる私を見て、
あずさは疑問を感じている様子だったわ。
…まあ、人それぞれよね。
とりあえず、あずさの頭を撫でてみる。
そして出発の前に挨拶だけはしておくことにしたの。
「改めてただいま、あずさ」
「はい。お帰りなさいですぅ♪」
…あははっ。
良い笑顔ね。
明るい笑顔をふりまくあずさと話をしていると、
最後に奈々香が歩み寄ってきたわ。




