丁度良いのよ
「お帰り~!乃絵瑠!!」
明るい笑顔で歩み寄ってきたのは雨音未来。
未来の心はすごく分かりやすくて、
私の帰りを素直に喜んでくれていたわ。
「ただいま、未来。それと、ごめんね。何も言わずに勝手に出て行っちゃって。」
「ん?ああ、良いの良いの。乃絵瑠はちゃんと帰って来るって思ってたし、誰だって逃げ出したくなる時もあると思うしね。そんなこと全然気にしてないわよ~。」
…ん~。
まあ、そうかもね。
誰にでも辛い時はあると思うし、
逃げ出したくなる時だってあると思うわ。
だけどそれでも。
未来は私なら目を逸らして諦めたりしないって信じてくれていたみたい。
「きっとね。逃げ出すくらいで丁度良いのよ。挫折して、逃げ出して、立ち直って、成長して、そうして生きていくくらいが丁度良いんじゃない?」
…あはははっ。
未来らしい言葉だと思うわ。
無理に進み続けるんじゃなくて、
逃げ出すくらいが丁度良いなんてね。
…ホントに未来は気楽でいいわね。
「悔いがないように生きられれば、それが最高の人生じゃない?…なんてね。私はそう思うわよ~。」
…うん。
まあ、ね。
私もそんなふうに生きてみたいとは思う。
…なかなか出来ないけどね。
それでも明るい笑顔で話す未来の言葉が本心で嘘偽りがないのは感じられるのよ。
「ありがとう、未来。」
「ふふ~ん。どういたしまして。」
未来との会話を終えたことで、
次にあずさが近づいてきたの。




