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THE WORLD  作者: SEASONS
4月25日
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2283/2319

越えて見せるわ

『ギィィィィ…ッ…。』と、

小さな音を立てながらゆっくりと扉を開けてみる。



…うぅ~。



徐々に溢れる明るい光がちょっぴりまぶしかったけど。


ついに暗黒迷宮の控室に戻ってきたのよ。



…みんなっ!!



控室には4人とも集まっていたわ。



冬月彩花。

矢島奈々香。

宮野あずさ。

雨音未来。



全員が控室に揃っていたのよ。



「ただいま~っ!!」



明るく元気に笑顔で叫んでみたんだけどね。


その前に扉の音を聞き付けていた彩花達は、

私が声をかける前から私の存在に気付いてくれていたみたい。



「あら、やっと帰ってきたのね。」



いつもと変わらない妖しい微笑みを浮かべる彩花の表情に怒りは感じなかったわ。


逃げ出した私に対して不満を感じるような気配はなかったのよ。



「お帰りなさい。乃絵瑠。」



…あぅ。



微笑みながら出迎えてくれた彩花の表情からは、

新たな能力に覚醒した私でさえも本心を見抜けない。



…いつも笑顔だから分かりにくいのよね~。



だけどいつもより少しだけ嬉しそう?なのかな?



何となくそう感じるのよ。


実際にどうなのかは怪しさが全開すぎて理解出来ないけれど。


それでも彩花が私の帰りを喜んでくれているような気がしたの。



「ただいま!彩花!」



心から親友って呼べる彩花に抱き着いてみる。



「ごめんね。彩花。勝手に消えたりして、ごめんね…。」



抱きしめながら何度も謝罪してみたことで、

彩花は優しく囁いてくれたわ。



「ふふっ。良いのよ。乃絵瑠は自分の思うように生きなさい。」



怒らずに。


責めずに。


褒めることもせずに。


私の選択を認めてくれたのよ。



「だから、お帰りなさい。乃絵瑠。」



そっと抱きしめ返してから優しく囁いてくれたの。



そんな彩花の想いに触れただけで自然と涙が流れてしまったわ。



「…ごめんね、彩花。それと、ありがとう。」



上手く伝えられない想い。


それでも彩花は私の頭をそっと撫でてくれたのよ。



「よく頑張ったわね。」



帰ってきた私の成長を感じてくれたのかな。


彩花が私の努力を認めてくれたの。



「ちゃんと強くなったのね。」



…うん。



魔力そのものはそれほど増えてないけどね。



それでも魔力の質は大幅に変化してるはず。



それはたぶん。


彩花でさえも驚くくらいに大きく変化してるはずなのよ。



…そのはず、よね?



いまいち心が読めないから

ちゃんと驚いてくれてるかどうかが分からないんだけど。



「さあ、行きなさい、乃絵瑠。」



私から手を離した彩花は、

いつものように妖しく微笑みながらこれから進むべき道を示してくれたわ。



「この先に、あなたが乗り越えるべき試練があるのよ。」



…ええ、そうね。



部屋の奥に存在するのは暗黒迷宮の入口よ。




「私はここで乃絵瑠の成長を見せてもらうわ。」



…ええ、望むところよ。



以前は1番目の扉で挫折したけれど。


今の私なら簡単に越えられるはず。



「乃絵瑠はどこまで進めるかしら?」


「…ちゃんと越えて見せるわ。それがどんな壁であってもね!」



挑戦的に囁く彩花の言葉に後押しを受けてゆっくりと歩き出す。



…今なら挫折なんてしないわ。



想いを込めて歩みを進める。


その途中でみんなも近づいてきてくれたのよ。



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