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THE WORLD  作者: SEASONS
4月25日
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2265/2319

10倍近く

《サイド:栗原薫》



…ふ~ん。



色々とあるのね~。



御堂君達が各地で再会の喜びを分かち合っている姿を眺めていたんだけどね。


長野君を始めとして、

芹澤里沙さんや矢野百花さん等々。


さらには和泉由香里さん達を含めた特風の生徒がそれぞれに挨拶を交わしながら、

これまでの思い出話とかで盛り上がってる様子を眺めていたのよ。



…まあ、何て言うか、ね。



一人で小さくため息を吐いてしまう。


ちょっとした疑問を感じてしまったからよ。



…って、言っても。



別に不満があるわけじゃなくて、

ホンの少しの戸惑いと共に、

私の心に安らぎを与えてくれていたから。


どちらかと言えば安堵の吐息って感じかな?



「各部隊が合流したことで、一気に人の数が増えたわよね~。」



…これはもう、倍どころの話じゃないわよね?



黒柳大悟さんが率いていた海軍は、

現在では米倉元代表が指揮権を取り戻して率いているけれど。


海軍に合流した多国籍軍と、

元々米倉元代表が率いていた陸軍の部隊が集まっているし。


さらには桜井学園長が率いていた傭兵と生徒の混合部隊まで合流したことで、

これまで1万程度だった戦力が今では10万を越える大規模部隊にまで拡大しているのよ。



…一気に10倍近く増えたのね~。



もちろんこれは喜ぶべき状況よ。


共和国の総力に近い大部隊だけど。


それでもまだカルナック山脈の東部には、

3万を越える陸軍の部隊が布陣してるらしいの。



そのうえでもう一つ。



現状ではあまり期待できないけれど。


セルビナの軍が参戦できれば共和国軍の総力は20万を越えるはず。



「ミッドガルムの戦力がどの程度か知らないけれど。共和国軍の総力も相当な規模よね~。」



ミッドガルム軍の残存部隊がどの程度の規模なのかはまだ誰にもわからないわ。



まあ、仮に100万の軍隊が半減していても、

50万の軍隊が存在することになるわけだけどね。



…ここまで大規模な戦闘になれば、さすがの私でも治療は不可能ね。



数十万規模の被害が出てしまったら、

さすがに私一人の力だと対応できないのよ。


仮に成美が協力してくれたとしても到底追いつける規模じゃないわ。



…数万ならどうにか、だけど。



どう足掻いても数十万の治療なんて出来ないわよね~?



そうなればミッドガルム軍との戦いにおいて死者を出さないという考えは実現不可能になってくるのよ。



…説得も無理で治療も無理だとすると。



相当な数の犠牲者が出るでしょうね。



出来れば死者は出したくないと思うけれど。


それでも私一人の力には限界があるわ。



…はあ。



魔力が無限なら良いのに。



心から思うけれど。


そんな都合の良い方法なんて存在しないわ。



…ただ一つを除いては、だけどね。



長野君の話から考えれば、

竜の牙の秘宝を手に入れれば魔力が無限になるはずなのよ。



秘宝【月輪げつりんの瞳】だっけ?



その秘宝を手に入れられれば、

月の出ている間は魔力の供給を受けることが出来るらしいのよ。



…だけどそのためには『竜の牙』を倒す必要があるわけで。



行方不明の竜の牙を探すことから始める必要があるし。


さらには竜道寺という人物を倒さなければいけないという絶対条件が存在するわ。



…どう考えても秘宝を手に入れるのは難しそうよね?



秘宝を探す能力は成美が所持している千里の瞳にも存在しないらしいの。


それが不可能なのか、

使いこなせていないだけなのかは不明だけどね。


それでも捜索は出来ないみたい。



そもそも成美は秘宝を使いこなせないらしいのよ。


それだけは深海さんの言葉によって明らかになっているの。



…はあ。



秘宝を手に入れられれば、

世界中を救うことだって出来るのに。



手に入れた力を破壊に使うことも救済に使うことも全ては持ち主の気持ち次第なのよ。


だからこそ持つべき者が持てば秘宝の力は平和の象徴にもなるはずなの。



…まあ、そうそう上手くは行かないでしょうけどね。



それでも期待は捨て切れないわ。


秘宝が手に入れば、

多くの人を救えるはずだから。



その可能性に期待を込めながら、

ひとまずみんなと一緒にミッドガルムの王都を目指して進み続けることにしたの。



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