早く感じたのは
《サイド:黒柳大悟》
…ほう。
ここがミッドガルムの砦か。
ここに来る前に話は聞いていたが、
実際に見てみると思っていたよりも損傷が激しいように思える。
…それだけ苦戦していたということだろうな。
本来なら学園の校舎と同程度の規模があったと思われる砦も、
今では原型をとどめているとは思えないほど壊されてしまっているのだ。
まだまだ使える場所もあるとは思うが、
おそらくほぼ半分が足の踏み場もない状況だろう。
…まあ、今も復旧作業が行われている様子だがな。
それでも一日や二日でどうにかなるような被害ではない。
必要最低限の応急処置が行われていると考えておくべきだ。
「まあ、ひとまず到着だな。」
深くため息を吐いてから気持ちを切り替えることにした。
セルビナの王都を出発してから半日がかりでようやくたどり着いたのだ。
ここまで来て砦に入らないという選択肢はないだろう。
「兵器が引き起こしたと思われる地震の影響によって予定よりも随分と遅れたが、何とか合流は出来そうだな。」
地震発生による地割れによって数百名の命が失われた事実は忘れることが出来ないが、
それでも俺が率いる2万の部隊はミッドガルムの領土にまでたどり着くことが出来たのだ。
「ジェノスを出港してからの数日間。これほど日々が早く感じたのは初めてかもしれないな。」
ジェノスの港で宗一郎さんと別れてからセルビナ王国に攻め込み、
今度はミッドガルムで宗一郎さんと再会するのだ。
これまで背負っていた重圧から一気に解放されることに安堵を感じながら、
早々に砦の内部へ歩みを進めることにした。
「宗一郎さんの下へ急ごう。」
「はい!」
静かに頷く御堂君と共に先を急ぐ。
常盤成美君や栗原薫君も引き連れて、
宗一郎さんに会いに行くことにした。




