届かない声
《サイド:常磐成美》
…これが?
これが、お姉ちゃんを襲った兵器なの?
「何故なんだぁぁぁぁぁっ!!!!!」
涙を流しながら叫び続ける御堂さんの悲しみを感じてしまったことで、
いつの間にか私も涙を流していました。
…ですが、私には何も言えません。
アストリアでの出来事を何も知らないからです。
兵器を知らなかった私は涙を流す御堂さんに何も言えませんでした。
…お姉ちゃん。
…翔子さん。
お願い、助けて。
…御堂さんを、助けてあげて。
私には何も出来ないから、
二人に救いを求めました。
…でも。
私の願いは届きません。
どれほど願っても。
どれほど祈りを込めても。
御堂さんの心は救えないんです。
「何故なんだっ!!」
認めたくない現実を目の前にして悲しみに暮れる御堂さんに私は何も出来ないんです。
だから。
だから今は。
御堂さんの体を力一杯抱きしめることにしました。
「…ごめんなさい。…ごめんなさいっ。」
何も出来ない自分を悔しくて、
何度も何度も謝罪しました。
ですがそんな私の声さえも、
御堂さんの耳には届いていない様子です。
「そんなはずはないんだっ!!」
決して受け入れられない現実を必死に否定し続ける御堂さんの心は、
今にも壊れてしまいそうに見えました。
…御堂さん。
お友達の天城総魔さんが命を懸けて破壊したはずの兵器が存在するという事実が、
御堂さんの心を苦しめているんです。
「そんなはずは…ないんだ…っ!!」
御堂さんを守って。
共和国を守って。
私達を守ってくれた天城総魔さんによって全ての兵器が失われたはずなので、
どうしても現実を受け入れられないのだと思います。
「そんな、はずは…っ!!!」
「…ちっ。」
兵器が存在しないと思い込もうとする御堂さんが見ていられなかったのでしょうか?
すぐ傍にいたフェイさんが私達に歩み寄ってきました。




