製作の技術
《サイド:黒柳大悟》
…御堂君の様子がおかしい。
地震が発生したのとほぼ同時に錯乱している様子に見えたからだ。
「そんなはずはないんだっ!!!」
一体、何を否定しているのだろうか?
「存在しないはずだっ!あれは…あれは総魔が破壊したはずだっ!!」
…破壊された?
…天城君に?
…何を?
すぐには理解できなかった。
だが、思い当たることはあるのだ。
現実を受け入れられずに涙を流しながら悲観する御堂君の言動によって、
ようやく俺達も状況が把握できるようになってきた。
…まさかっ!?
これはそういうことなのか!?
今ここに起きている現実。
いや、今ここで起きている事実を理解してしまったのだ。
「残存していたのかっ!!」
御堂君が否定したくなる事実に気づいたことで、
俺も絶望的な表情を浮かべてしまっていた。
…これが。
これが神の裁きなのだな。
兵器の力を知らずとも、
兵器の名前は知っている。
数え切れないほど多くの人々の命を奪い。
天城君や多くの仲間達をも消し去った最悪の兵器。
その悪夢は情報として聞いているからだ。
「まだ、兵器は失われていなかったのかっ!!!」
アストリア王国の滅亡と共に失われたはずの兵器。
当然『製作の技術』も失われたと考えていたのだが、
俺達の予測は大きくハズレていたらしい。
『神の裁き』という名の兵器が、
セルビナの王都を壊滅させてしまったからだ。




