気の済むまで
「それではこちらも準備を進めさせてもらおう。」
野々村斉蔵は改めて俺に頭を下げてくれている。
そしてすぐ背後に控えている飯塚駿一を従えて恭順の意志を示してくれたのだ。
「セルビナは敗北を認める。これからは共和国の指示に従おう。」
…ああ、そう言ってもらえるとありがたい。
一時的にとは言え、
セルビナの代表になった野々村斉蔵が敗北を認めてくれたのだ。
形式だけだが、
広場に集まる全ての人々に対して共和国の勝利を宣言することにしておこう。
「セルビナは共和国が制した!!この国は今日から共和国の属国となる!異論のある者はいつでも俺の下に来い!気の済むまで何時間でも話し合おう!!」
武力による支配ではなく、
話し合いによる交渉によってセルビナの制圧を望むことを宣言したのだが、
反論する者は一人もいない様子だった。
多くの人々が争いを拒み、
セルビナの敗北という現実を受け入れようとしてくれているようだ。
「今日この時をもって共和国とセルビナの戦争の終結を宣言する!二度とこのような争いが起きることがないように、全員が一丸となって和平を望んでくれることを願う!!」
最終的に願いを告げることでセルビナとの交渉を終えた。
そして潔く死を受け入れた本宮源吾の遺体に視線を向けて静かに祈りを込めることにした。
「あなたの想いに感謝します。」
自ら汚名を背負ってまで意志を貫いてくれた本宮源吾の想いを無駄にしないために。
次の戦場に向かって行動する時が来た。
「ミッドガルムへ進軍するぞっ!!」
残存する海軍と鞍馬信彦が率いていた多国籍軍の一部にセルビナ魔術師ギルドの魔術師達も含めた部隊を率いて、
王都からミッドガルムに至る国境に向けて移動することにしたのだ。




