お供します
「こうなればお前も同罪だっ!!国家に背くお前は極刑に値するっ!!」
国王の権限として本宮さんに死を命じたんだ。
それなのに。
本宮さんは戸惑うような素振りすら見せずに静かに微笑んでいた。
「…分かりました。それでは国王様。私と共に全てを終わらせましょう。」
国王から反逆罪を言い渡された本宮さんが突如として行動に出る。
密かに隠し持っていたナイフを瞬時に取り出して、
迷うことなく心臓に突き立ててしまったんだ。
…なっ!?
「ぐっ!?がぁっ!?」
国王が口から吐血して大地に倒れた。
…どうして!?
「き、さま…っ!?」
隠し持っていたナイフで国王の心臓を貫いた本宮さんの手は返り血で赤く染まっている。
「…セルビナ王国は今日で終わりです。そしてこれが私達の宿命なのです。」
国王が倒れた姿を眺めてから、
本宮さんは自らの心臓にもナイフを突き立てたんだ。
…そんなっ!?
どうしてっ!?
「最期まで…お供します。それが私の役目ですから…。」
自らの死を受け入れた本宮さんは、
戸惑う僕と栗原さんに最期を託そうとしていた。
「このまま、私達を…見過ごしてください。どのみち、国王の死は…避けられません。ならば、その役目は私の手で…そして、国王を殺す大罪を犯した私を…このまま、死なせてください。」
全てを終わらせる為に国王を殺害した本宮さんは、
罪を背負ったまま国王と共に死ぬことを願っていた。
「お願い…します。どうか、私達を…死なせて、下さい…。」
魔術による治療を拒んだ本宮さんは、
死に近付く体で国王の傍で平伏して国王に最期の言葉をかけた。
「…共に逝きましょう。」
「本宮…ぁぁ…っ!!!」
憎しみの表情を浮かべたまま力尽きる国王は有り余る憎悪を残したまま僕達の足元で死亡してしまった。
その直後に。
「申し訳…ありませんでした。」
憎しみに染まる国王の瞳をそっと閉じた本宮さんも生涯を終えてしまったんだ。




