最後の説得
「戦闘を止めよう。」
その為に仲間達に願う。
「栗原さん。ここはきみの力が必要だ。」
まずは栗原さんから。
栗原さんの魔術と祈りによって戦闘を中断させようと考えた。
「もう一度いけるかな?」
「ええ、平気よ!安心して任せて!ちゃんと全員守って見せるわ!」
傷ついて倒れた人々を救って、
追い詰められた心までも安らぎで満たすために。
栗原さんは魔術を展開してくれた。
「ヘブン・オン・アース!」
栗原さんを中心として生まれるのは優しさに満ち溢れた神聖な光。
急速に拡大していく聖なる光は広場全域や王城を含めて、
王都の町の広範囲を優しい光で包み込んでいく。
「この光に想いを込めて願うわ。」
戦争を止めるために。
一心に願ってくれたんだ。
「…争いを止めてください。」
広範囲に広げる光に想いを込めて停戦を願う栗原さんの想いが届いたことで共和国軍の攻撃が止まる様子が見えた。
そして陰陽師軍を包囲したまま僅かに軍を下げてくれたんだ。
「私達は戦争を望んでいません。私達は傷付け合うことを望んではいません。」
栗原さんの呼びかけがきっかけになったのか、
包囲網の中心で壊滅寸前だった陰陽師軍も攻撃を中断して動きを止めている。
「お願いです。もう傷付け合うのは止めてください。」
祈りを込めて願う栗原さんの想いは光と重なって、
王都にいる全ての人々の心にも直接的な力となって届いているはず。
「私達は敵ではありません。そしてセルビナの皆さんを敵だとも思っていません。」
お互いに敵ではないと想いを込める栗原さんの優しい想いが光と共に届いて、
陰陽師軍や王都の国民の心に伝わっていく。
「私達の願いは純粋な平和です。争って傷付け合うだけの悲しい現実ではなくて、みんなが笑って暮らせる普通の日々を実現したいだけなんです。」
そもそも戦う意志なんてないんだ。
争う意味もない。
殺し合う憎しみなんていらない。
傷付け合う悲しみなんて必要ないんだ。
必要なのはただ笑い合える幸せな未来。
そのささやかな幸せを栗原さんは一途に願ってくれている。
「意地や見栄や地位や誇り。そんなつまらない理由で争うつもりはありません。私達はただ…平穏な日々を望んでいるだけです。」
誰よりも優しい心で。
誰よりも温かな声で。
誰よりも穏やかな気持ちで。
想いをセルビナの国民に届けていく。
「一緒に目指しませんか?誰もが笑って過ごせる世界を。そしてみんなが助け合えるような幸せな結末を…私達と一緒に目指しませんか?」
互いに手を取り合って、
助け合う未来を願い続けたんだ。




