民衆に頼るしかない
…まだ戦闘中だね。
共和国軍と陰陽師軍が戦闘を続行している広場の入口付近にたどり着いた。
「見た感じですけど…圧倒的に陰陽師軍が不利ですよね?」
…ああ、そうだね。
ほぼ一方的と言える戦況を見た鈴置さんは、
共和国軍の優勢と陰陽師軍の劣勢を感じ取ったようだ。
…明らかに分が悪いね。
黒柳所長が率いる海軍に合流した多国籍軍が戦闘に加わったことで共和国軍の戦力は倍増しているから。
その結果として陰陽師軍は完全な包囲を受けて退路すらも断たれているという状況になっている。
一方的な戦況だ。
共和国軍の優勢を眺めるフェイも考えを言葉にしていた。
「セルビナ軍が総崩れの現状ではもはや増援は期待できないだろう。そして他国から援軍がくる可能性も期待できないはずだ。周辺諸国がセルビナに軍を進めていないことは確認済みだからな。この町に軍が集まらないのは間違いない。」
…へえ。
どうやらフェイ達は王都に進軍すると同時に各国の情報も集めていたらしい。
「魔術師ギルドからの情報だからな。信憑性は高いだろう。」
…なるほど。
フェイ達はセルビナにある魔術師ギルドからの情報の提供によって各地の情報を入手していたようだ。
「セルビナは完全に孤立している。そしてもはや共和国の勝利は絶対だ。」
全ての軍を失って他国からの援軍も期待できないセルビナに戦況を覆す力は存在しない。
この状況でもしも一つだけ戦力を集める方法があるとすれば、
それはもう民衆に頼るしかないということだ。
「まあ、王都に住む人々が決起すれば…戦況が覆る可能性はあるかもしれないがな。」
…可能性か。
最後の可能性を考えるフェイだけど。
その可能性が高くないことは僕達が知っている。
何故なら王都に住む人々は戦闘を望んでいないからだ。
わざわざ争うことを望んでいないという事実を僕達はすでに知っている。
だからこそ僕達は王都の人々が蜂起する可能性を恐れていなかった。
「きっと戦闘にはならないと思うよ。」
声をかけながら先頭に歩み出る。
「まずは陰陽師軍との戦いを止めよう。そして問い掛けるんだ。」
戦う意味を全ての国民に問い掛ける。
そして真実を確かめる。
そのために仲間達に協力を願うことにした。




