死刑囚?
《サイド:御堂龍馬》
…さて、と。
謁見の間を離れた僕達は王城を出るために正門に移動することになった。
突入時は広場を迂回して王城に潜入していたけれど。
今回は広場に向かう為に堂々と正面から戻ることにしたんだ。
「ささっと行くわよ〜!」
「…くっ。」
いまだに遠慮のカケラもないまま容赦なくロープを引く和泉さんに引きずられている国王も広場に向かって歩みを進めている。
「この報いは必ず受けさせてやるぞ!!」
一国を代表する者として扱いの横暴さに憎しみを込めて吐き捨てる国王だけど。
和泉さんは見下すような視線を返すだけだった。
「私への復讐を考える前に、ここで死ぬ可能性を考えた方が良いんじゃない?」
「…ち…っ。」
和泉さんの指摘を受けた国王は悔しげな表情を見せている。
だけどね。
僕も正論だと思うんだ。
和泉さんや共和国に対する復讐を考える前に、
この状況から生き残れる可能性を考慮するべきだと思う。
「あなたが生き残れるかどうかは国民の判断に委ねられているのよ?最低でもこの王都に住む人々があなたを救出しようとしなければあなたの罪は確定するわ。」
…どうなるんだろうね。
もしも王族が国を支配し続ける為に。
あるいは贅沢な生活を維持する為だけに。
共和国という存在を悪に仕立て上げて戦争を始めたのであれば王族はその罪を裁かれなければならない。
…そうでなければ誰も納得出来ないからね。
「文句を言いたければ好きにすれば良いけれど、自分達の立場を守るために戦争を始めたのか?それとも本当に魔術師に怯える人々を守るために戦争を始めたのか?その真実が明らかになった時にあなたの運命が決まるのよ。」
国王を引きずりながら歩みを進める和泉さんの周囲では僕やフェイ達も周辺を警戒しながら歩みを進めている。
だからかな?
王城の衛兵達が国王の救出の為に動き出そうとしても、
それら全てをフェイ達や特風の生徒達が退けてくれたんだ。
「もう分かってるとは思うけどね。誰かが助けてくれるなんて思わないほうが良いわよ?」
「………。」
冷たく宣言する和泉さんの宣言に、
国王は沈黙するしかなかったようだ。
「絶対に逃がさないから。」
フェイ達が衛兵達を撃退してくれるおかげで、
和泉さんと国王は余計な足止めを受けずにまっすぐに広場へ向かうことが出来ている。
「気分は死刑囚かしら?」
「………。」
国王がどれほど願っても警備の衛兵達は役に立たない。
もちろん陰陽師の手助けも期待できない。
何故なら国王にとっての味方が僕達によって撃退されていくからだ。
その結果として。
和泉さんの指摘通りに、
国王は戦場となっている王城前の広場へと強制的に連行されて行った。




