自身の力として
《サイド:栗原薫》
御堂君と成美に私と鈴置さんの4人に合流してくれたフェイ君とマリアさんとジェリルさんとピーター君。
さらには和泉さんと岩永君と大森君と梶原さんに伊倉君の5人も合流したことで、
総勢13名の魔術師が謁見の間にたどり着いたみたい。
「形勢逆転…かしらね?」
ゆっくりと立ち上がった私は、
成美を助け起こしてから国王に降伏を願い出ることにしたわ。
「もう、止めませんか?」
ただそれだけを願ったんだけどね。
国王は怒りの表情で怒鳴ってきたのよ。
「ふざけるなっ!まだ負けたわけではない!!少々、数が増えた程度で貴様等のような子供を相手に敗北を認めるなど出来るわけがないっ!!」
…ああ、うん、まあ、ね。
二十歳前後の私達を相手にしたくらいで国が屈することはあり得ないって宣言する国王だけど。
今この場でその発言は命取りよね?
「戦うつもりならば殺すまでだ!」
どう見ても機嫌が悪そうな雰囲気のフェイ君が歩みを進めてしまうからよ。
「死にたい奴からかかってこい!」
冷酷に宣言するフェイ君の歩みを止める為に、
動ける衛兵達が一斉に襲い掛かろうとしていたわ。
「国王様を守れーっ!!」
「フェイっ!」
誰かの声をきっかけとして戦闘を再開する衛兵達を見た御堂君が慌てて駆け寄ろうとしていたけれど。
「…心配するな。」
フェイ君は静かに制止していたわ。
「ここは俺達だけで十分だ。」
自信をもって宣言した直後に。
「ガーデン・オブ・エレメント!」
「シャイニング・クロー!!」
マリアさんとジェリルさんの魔術が、
フェイ君に近づこうとしていた衛兵達をあっさりと吹き飛ばしてしまったのよ。
さらにはフェイ君の傍に駆け付けたピーターもナイフを構えて守りについていたわ。
「僕だって戦えるんだ!!!」
瞬時に衛兵達を切り裂いて次々と衛兵達を倒していくピーター君の動きは明らかに魔術大会の時よりも洗練されていて、
しっかりとルーンを使いこなし始めているようね。
…カーター君の死がきっかけになったのかしら?
実際に何があったのかは知らないけれど。
今ここにカーター・フロンド君がいないことと、
マリアさんが『殺された』と言っていたことを考えれば答えは一つしかないわよね?
「敵を一掃するぞ!」
成長を見せ始めたピーター君に微笑みを向けてから、
フェイ君は衛兵達を薙ぎ倒していったの。
「邪魔だっ!」
振り回す槍に魔力を込めて一気に突き抜けていく。
「ソニックブーム!!!!」
床を破壊しながら衛兵達を撃破していくフェイ君の破壊力は北条真哉君を上回っているように見えるわ。
たぶん、ラングリッサーをフェイ君自身の力として極めつつあるんじゃないかしら?
一際大きな破壊音を立てて動きを止めたフェイ君とデルベスタ多国籍学園が誇る生徒達によって、
国王を守る衛兵達は一瞬にして全滅してしまったのよ。
「まだ戦うつもりか?」
残る陰陽師達を視界にいれながら静かに問い掛けるフェイ君の発言をきっかけとして、
陰陽師達が慌てて護符を構える。
…だけど。
「だ~か~ら~!私達をナメないでって言ってるでしょ!!」
フェイ君達が戦っている間に各地に分散していた和泉さん達が陰陽師達の背後に回り込んで攻撃を開始したのよ。
「黙って倒れてなさいっ!」
目の前の陰陽師を切り伏せてから大技で一気に殲滅していく。
「鎌鼬っ!!!!」
即座に発動した魔術で周囲の陰陽師達を吹き飛ばした和泉さんの動きに同調して、
他の生徒達も攻撃を始めていたわ。
「油断大敵…ってな!」
「ぐっ…!?うぁぁぁっ!!!」
背後から炎の槍で貫かれた陰陽師が倒れたわ。
「雷王っ!!!!」
離れた場所で魔術を展開する大森君の攻撃によって別の場所にいた陰陽師達も倒れていく。
「こうなると私達の出番も最後かしらね?」
冷静に戦況を眺める梶原さんが、
伊倉君と二人で残る陰陽師達を一掃していったのよ。
「「エクスカリバー!!!」」
二人が同時に放つ風の刃によって残る陰陽師達も倒れたことで謁見の間にいたセルビナ軍は壊滅してしまったの。




