表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月24日
PR
2195/2229

肥大化してしまう

《サイド:鈴置美春》



…うわぁ〜。



「こういうところが魔術師は恐怖の象徴って言われる部分よね~?」



…ですよね。



御堂先輩の強さに驚く様子の栗原さんの言葉を聞いて思わずため息を吐いてしまったわ。



「確かに…怖がられても仕方がないですよね。」



御堂先輩一人で王城を制圧できてしまうからよ。


私達から見れば頼もしい戦力だけど。


セルビナ側から見れば悪魔や死神にも等しい存在だと思うの。



「御堂先輩や天城総魔のような魔術師が増えれば、共和国は本当に世界を支配出来てしまうのかもしれませんね。」



アストリア王国が滅亡と引き換えに奪った命の中には天城総魔や深海優奈さん。


それに翔子や米倉理事長のような他者を寄せ付けない圧倒的な能力者が含まれていたわ。



そのせいで現在の共和国は苦戦を強いられているわけだけど。



…もしもまだみんなが存在していたとしたら?



セルビナは今日まで存続することが出来なかったかもしれない。



各国が存続を賭けてでも戦わなければ、

共和国の力は肥大化してしまうからよ。



…その事実こそが共和国に対する最大の恐怖なのかもしれないわね。



確実に増えていく魔術師と肥大化していく戦力。


魔術師の成長そのものが恐怖に繋がってるってことに気付いてしまったの。



…天城総魔が倒れたことで御堂先輩が成長したように。



翔子や色々な人達が倒れたことで私達も成長しているように。



共和国が存続する限り、

魔術師の戦力は肥大化していく。



…それが各国が共和国を恐れる理由なんでしょうね。



倒しても殺しても終わらない戦い。


戦争そのものに絶望を感じながら戦っているのは共和国ではなくて、

本当はアストリアやセルビナなのかもしれないっていうことよ。


その事実に気付いてしまったの。



…本当はみんな、怯えているのね。



共和国が他国を恐れるように。


他国も共和国を恐れているのよ。



そうして恐怖が世界を支配したことで、

戦争という最悪の結末に進展してしまったということ。



「本当に戦争がなくなる日なんて来るんでしょうか?」


「必ず来る。そう信じることから始まるんだよ。」



疑問を言葉にしてみたことで、

御堂先輩は笑顔で答えてくれたわ。



「諦めればそこで終わってしまう。だけど諦めずに信じ続けてさえいれば、いつかきっと願いは叶うんだ。それを僕達が証明するんだよ。」



…ええ、そうですね。



みんなが笑って過ごせる世界。


それはきっととても簡単で、

とても単純なことだと思うから。



「私もね〜。お互いを恐れて傷付け合うんじゃなくて、お互いを分かり合うために話し合うだけで実現できる簡単なことだと思ってるわ。そのためのきっかけさえ用意できれば、きっと世界は良い方向に進むと思うの。」



…ええ、私も同じ考えです。



自信を持って話す栗原さんの言葉を聞いて、

私も御堂先輩も頷いたのよ。



「そうですね。信じてみないことには結果なんて出ないですよね。」


「ああ、僕もそう思うよ。」



この先の未来を考えるよりも。


これまでの過去を考えるよりも。


今ここで出来ることを考えるべきなの。



そんなふうに思えるようになれたから、

心に残っていた不安を全て振り払うことにしたわ。



「行きましょう。今は進むべきだと思います。」


「ああ、そうだね。」



ホンの少しだけ笑顔を取り戻した私を見ていた御堂先輩も笑顔を見せてから行動を再開したわ。



「3階へ進もう!」



…はい。



気合いを入れ直して歩みを進める御堂先輩を追いかけて私達も歩き出す。



「ささっと王族を捕獲するわよ~。」



…ですね。



当初の目的を宣言した栗原さんに頷いてから、

改めて先を急ぐことにしたの。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ