2190/2199
普通はあり得ない
「「敵の侵入を許すなーーっ!!」」
「「迎え撃てーーーっ!!!!」」
王城から出てきた衛兵達が弓矢を構えて狙いを定めようとしている。
「やば…っ!?」
「まずいっ!」
顔を青く染めながら焦る梶原さんと伊倉君が動きを止めてしまっている。
兵士達との距離を考えると二人はまだ魔術による防衛が間に合うかもしれないけれど。
すでに城門前に接近していた岩永君と大森君の二人は防御も回避も間に合わないからだ。
「防御結界を…っ!!」
…ダメだ。
間に合わないっ!!
慌てながらも魔術の詠唱を終えた梶原さんが行動に移すよりも先に、
一斉に放たれてしまった矢が岩永君と大森君に降り注ごうとしていた。
「ちぃっ!!」
「くそっ!」
降り注ぐ矢から逃れようとする二人だったけれど。
数百の矢を全て回避出来るほどの運動神経なんて普通はあり得ない。
…僕だって無理だ。
魔術による支援があれば話は別だけど。
身体能力だけで乗り切るのは不可能だ。
…救出が無理なら治療して乗り切るしかない!
攻撃が防げないのなら、
怪我を治療して助けるしかないと思ったんだけどね。
「ったく〜!あんた達は油断しすぎなのよっ!!」
僕達が駆けつける前に、
飽きれ顔で愚痴る和泉さんが二人を守る為に魔術を発動してくれたんだ。




