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THE WORLD  作者: SEASONS
4月24日
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2185/2199

最初からお構いなし

《サイド:栗原薫》



…うわ〜〜〜。



どうやら戦闘は止められない様子ね。



「これより陰陽師軍との本格的な戦闘が始まるぞ!!」



相手は死力を尽くすつもりで攻め込んで来るみたい。



「彼等の決死の想いに応える為に、こちらも全力で応戦する!これが最期の戦いだ!全員気を引きしめてかかれっ!!」



「「「「「おおおおおおおおおおっ!!!!!」」」」」



黒柳さんの号令によって一斉に気合いの雄叫びを上げる兵士達。


そんな共和国軍の部隊の中で、

私と成美は御堂君に歩み寄ることにしたの。



「ねえ、交渉は失敗したの?」


「…あ、ああ。ごめん、栗原さん。」



話を聞こうとしたことで、

御堂君は頭を下げて謝罪してくれたのよ。



「僕には説得出来なかったんだ。」



死を受け入れて覚悟を決めた陰陽師軍を説得することが出来なかったみたい。



「きっと多くの犠牲者が出てしまう。だけどこの戦いだけは止められないみたいだ。セルビナ王国の未来の為に犠牲になることを選んだ彼等を止めることが出来なかった。」



セルビナの未来?



…うぅ~ん。



難しいことは分からないけれど。



…これってあれよね?



死を望む陰陽師軍を生存させるのは難しくて、

救いの手を差し延べること事態を望んでないってことよね?



「この国に残される人々の為に希望を残そうとしている彼等の想いを止めることは出来ないんだ。」



…あ~、なるほど。



命と引き換えにセルビナ王国の未来を望む彼等を救う方法が私達にはないってことよ。



陰陽師軍の考えを説明しながら俯いてしまう御堂君だけど。



…でもまだ諦めるのは早いわよね?



「まだ大丈夫。まだ誰も死んでないわ。」



落ち込むのはもう少し努力をしてからでも良いんじゃない?



「それにね。向こうにどんな事情があるにしても、私が絶対に死なせないから。」



相手がどう思うかなんてね。


正直に言ってどうでも良いのよ。



向こうが戦いを望むのと同じように、

私も救いを望むだけだから。



相手の許可なんて最初から求めていないし、

求めるつもりもないの。



だから相手の都合なんてね。


最初からお構いなしなのよ。



「向こうに戦う理由があるように、私だって守る理由があるわ。」



だから相手の許可なんて必要ないの。



「私は私の考えでみんなの命を守り抜く。それが私のやり方よ。」



医者が患者を救うのに、

一々患者の許可なんて求めないわよね?



…まあ、言える言えないっていう部分は別としてだけど。



私としては目の前で苦しむ人々に救いの手を差し延べるだけ。



だから治療に関して文句を言われる筋合いはないって思ってる。



「例え向こうが死ぬ気でも私は認めないわ。」



そんな勝手は絶対に許さない。


未来を信じて生き続けることに意味があるはずだから。



「死ぬことが満足だなんて考え方は絶対に認めないわ。」



説得が通じないほど思い詰めている様子の陰陽師軍だけど。


私は全力で否定してあげる。



死ぬことで未来を残すなんて考え方は認めないし、

残された人々の悲しみを無視した考え方なんて絶対に認めない。



私達が感じてきた絶望をただただ繰り返すだけの悲しい結末なんていらないのよ。



「みんなが生き残って、みんなで未来を紡いでいくことが本当に望むべき未来よね?」



兄貴と愛里の死によって絶望に追い込まれたあの日の悲しみを二度と繰り返さない為に。



「私は私のやり方で命を守るの。」



誰にも文句なんて言わせないわよ?



「向こうが問答無用で襲い掛かって来るように、私も私の勝手にさせてもらうわ。」



死を望む陰陽師軍も守り抜く。


そしてセルビナも守ってみせる。



…それで良いんじゃない?



「まだ誰も死んでないのよ。」



だからね。



「諦めるのはまだ早いわ。」





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