同盟
《サイド:米倉宗一郎》
カルナック山脈の西部において、
アルバニア王国が参戦してから3時間程が経過しようとしている。
累計40万を越える大規模な戦闘だ。
通常ならば数日に及ぶ戦いになるだろうが、
やはりアルバニア王国は強かった。
質と量の両方を兼ね備えた陰陽師軍の活躍によって早々に変化の兆しが見え始めたのだ。
「「「後退しろーーっ!!」」」
「「「部隊を立て直せっ!!」」」
「「「退却だーっ!!」」」
戦場に響き渡る怒声。
敵の指示と共にミッドガルム軍が後退を始めていく。
「やったわ!!ミッドガルム軍が退いてくれたのよ!」
撤退を開始するミッドガルム軍を見たことで由美が喜びの笑顔を見せている。
「私達の勝利ね!!」
最前線で指揮をとっていた由美にアルバニア王国陰陽師軍の指揮官の一人が駆け付けた。
「敗走するミッドガルム軍の追撃はそちらに任せます。我等は国境を南下してセルビナ王国に向かいます!」
「え…ええ、分かったわ!」
幻夜の指示を受けて移動を開始する陰陽師軍に感謝しながら、
由美は残存する共和国軍に指示を出していく。
「撤退するミッドガルム軍を追撃するわよっ!!全軍、前進っ!」
由美の指示によって逃亡するミッドガルム軍の追撃を開始する共和国軍。
その行軍とは反対の方向へと陰陽師軍は動き出す。
セルビナ王国の国境側に軍を進めて幻夜と合流する陰陽師軍。
俺が率いる共和国軍とも合流したアルバニア軍は足早に幻夜に駆け付けていた。
「ミッドガルム軍の殲滅に成功しました!現在ミッドガルム軍は総勢5万程度にまで数を減らして、共和国軍の追撃を受けながら北部へと逃走しています!!」
「ふむ、そうか。ご苦労、下がっていい。」
「はっ!」
幻夜の指示を受けた伝令部隊は即座に後退している。
「どうやらここでの戦闘は終了したようだ。もはやこの地に俺達が布陣する必要はないだろう。」
「どうするつもりだ?」
「選択肢は二つある。俺達がミッドガルムを攻めるか、共和国がミッドガルムを攻めるかだが、その決断の前に確認することがある。それはもちろん共和国がアルバニアとの同盟を受け入れるかどうかだが、その返答次第では互いの立場が大きく変わることになるだろう。だからまずはお前に聞きたい。同盟を受け入れるつもりはあるか?」
…ふむ。
アルバニア王国との同盟か。
幻夜の質問に対して迷う必要はないだろう。
「ああ、もちろんだ。同盟を受け入れよう。俺達は殺し合いがしたいわけじゃないからな。可能であるのなら、和平への道を願うのみだ。」
「ははっ。お前ならそう言ってくれると信じていた。」
嬉しそうな笑顔を見せてから、
幻夜は今後の計画を話し始めた。




