これで3人
「死になさいっ!!」
「死ねっ!!!」
百花の聖剣と兄貴の聖剣が敵の体を捉えた瞬間に二振りの聖剣が交差して敵の体を切り裂く…はずだったの。
…それなのに!
どうしてなのよっ!?
「どう…して…っ?」
「馬鹿…な…っ!?何故…だ?」
敵を斬ったはずの二人の刃はあっさりと砕け散って、
代わりに敵のルーンが二人の体を切り裂いているの。
「これで3人だ。」
血まみれで倒れる百花と兄貴。
その体を踏み越えた敵は炎の鳥に視線を向けてる。
だけどそれだけで防御も回避もしないのよ。
「…斬るまでもないな。」
剣を下した敵の体を炎の鳥が包み込む。
…わざと飲まれたっ!?
灼熱の燃え盛る炎に包まれる敵だけど。
即死級の炎の中にいるはずなのに、
余裕の笑みを崩すことはなかったわ。
「無駄だ。この程度の力で俺の防御結界を越えることなど出来はしない。」
…う、嘘でしょっ!?
本気で攻撃してるのよ!?
それなのに。
火傷を負わせることさえできないまま。
余裕の態度を崩すことさえできないまま。
敵は堂々と歩みを進めてくるの。
「聞いていなかったのか?月がある限りいかなる攻撃も通用しない。そう伝えたはずだがな。」
…何よ、それ?
そんなの反則じゃないっ!!
ここまで実力に差があるなんて思わなかった私に敵が魔剣を向けてくる。
「お前で4人目だ。」
…っ!?
時間稼ぎさえも出来ない事実に悔しさを感じてしまう。
だけど私にはどうすることもできないのよ。
「もはや助けはない。」
深紅の衝撃波が放たれる。
ゆっくりとした動作で魔術を展開する敵に、
今度は淳弥が背後から襲い掛かろうとしていたわ。
「まだだっ!まだ俺がいる!!」
私を守ろうとしてくれている淳弥だけど。
敵は振り返ることすらせずに、
私を狙って深紅の衝撃波を発動させてしまったの。
「ブラッディ・ムーン!!!」
…くっ!!
「くそぉぉぉぉっ!!」
私を守る為に衝撃波を阻止しようとしている淳弥だけど。
『ザシュッ!!!!』
淳弥の攻撃が追い付く前に、
深紅の衝撃波が私の体を切り裂いてしまったの。
「…きゃぁぁぁぁぁっ!!!!」
激しい痛みを感じて悲鳴をあげてしまう。
唯一の武器だった杖を砕かれて。
体を守る防御結界も突き抜けられて。
悲鳴を上げながら後方に弾き飛ばされた私の腹部からは、
おびただしい量の血が溢れ出していたわ。
…う、あ、ぅぅ。
さすがにこれは、まずいわね。
「里沙ぁぁぁっ!!!」
…馬鹿、淳弥っ。
後ろっ!!
倒れた私を見つめながら叫ぶ淳弥に。
『ザシュッ!!!!』
敵が魔剣を突き立ててしまったのよ。




