次は二人
《サイド:芹澤里沙》
「燃えなさいっ!!!」
全力で叫びながら何度も炎の鳥を突撃させてみる。
そんな私の攻撃を気にしながらも、
敵は大塚義明に狙いを定めていたわ。
「この場で最も危険なのはお前だな。」
…むぅっ!!
ちょっとだけ気に入らないわね。
確かに現状では最も実力が在って、
最も危険な人物かもしれないけれど。
だからといって格下に見られるのは納得いかないのよ!
…その余裕を叩きのめしてあげるわっ!!
炎の鳥を操って突撃を繰り返す。
…焼き尽くしてあげる!!
炎の息を放ち。
羽から火の粉を降らせ。
体当たりによる炎上を狙う。
だけどそのどれもが不可視の障壁で弾かれてしまうみたい。
…こんのぉぉぉぉ!!!
全く攻撃が通らないことで苛立ってしまったんだけど。
私達を無視し続ける敵は、
大塚義明に攻撃を仕掛けようとしていたわ。
「ダークネス・ファング。」
頭上に振りかざした魔剣が黒い光を放ってる。
周囲に点在するあらゆる闇と影を切っ先に吸収しているようね。
そうして生まれた黒い光が大塚義明に狙いを定めてる。
「闇に落ちるがいい…。」
静かに放たれる闇。
『ブォンッ…!!!』と低く静かな音が一瞬だけ鳴り響いて魔剣から放たれた黒い光が大塚義明に襲い掛かったのよ。
「ちっ!」
一瞬にして迫る黒い光を回避するのは難しいと思う。
大塚義明も無理な回避は諦めたようで素直に迎撃を狙っていたわ。
「燃えろっ!!」
ドラゴンの炎で黒い光を焼失させようとしたみたい。
だけどドラゴンの灼熱の炎をあっさりと突き抜けた黒い光は容赦なく大塚義明の体を貫いてしまう。
「ぐっ!?」
小さな激突音が聞こえた次の瞬間に、
凝縮されていた闇が一気に爆発したのよ。
「がっ!?ぐぁぁぁぁぁっ!!」
至近距離で炸裂した闇に弾かれて軽々と宙を舞う体。
その破壊力は異常なまでに凄まじくて、
全身の骨を打ち砕きながら幾つもの内蔵を破裂させるほどの重傷を与えていたわ。
幾つもの防壁を展開してもまだそれほどの威力があるのよ。
「がっ…ぁ…っ!」
悲鳴すら出せずに苦しんでる大塚義明は、
宙を舞う体が大地に激突すると同時に意識を失ってしまったみたい。
「まずは一人だな。」
倒れた大塚義明から視線を逸らした敵が後方に振り返る。
「次は二人か。」
すでにすぐ側にまで迫っている百花と兄貴に狙いを定めたのよ。




