殺せる力を
「米倉さん!!しっかりしてくださいっ!!米倉さんっ!!」
何度も何度も呼び掛けてみるが、
米倉宗一郎は何も答えない。
死んではいないが、
生きているとも言えない状態だ。
このまま放っておけば間違いなく死んでしまうだろう。
…くそぉぉぉぉぉっ!!!!
力尽きた米倉宗一郎をその場に残して竜道寺に振り返った。
「竜道寺ぃぃっっっ!!!!」
憎しみを込めて竜道寺を睨みつける。
すでに俺の心からは竜道寺に対する恐怖が完全に消え去っていた。
「お前だけは俺が殺すっ!!!」
殺意を宣言してから竜道寺に突撃を試みるが、
竜道寺は表情一つ変えずに問い掛けてくる。
「秘宝の在りかは聞き出せたか?」
…ふざけんなっ!!
「そんなことはどうでもいいっ!!俺がお前を殺せばそれで終わる!!死ね!竜道寺っ!!」
「愚かな…。せっかく救われた命をここで捨てるか。」
怒りと憎しみを込めて魔術を展開するが、
再び深紅の衝撃波が放たれたことで俺の想いはあっさりと打ち砕かれてしまった。
「がああああああっ!!!!」
運よく体がバラバラになる事態は避けられたようだが、
たった一度の攻撃で瀕死の重傷を負ってしまっている。
…っづ!!
うああああああぁぁっ!!
両腕に腹部。
全てが致命傷だ。
この場で米倉宗一郎に次ぐ実力があると思っていたが、
その程度では時間稼ぎすら出来なかった。
力を封じた影響でルーンさえも発動できない俺では竜道寺に近づくことすら出来ないからだ。
…いや。
例え封印を解除したところで竜道寺が相手では勝ち目なんてないだろうな。
「ぐぅぅっ!!」
…くそっ!!!
力が欲しいっ!!
…竜道寺に勝てる力をっ!!
竜道寺を殺せる力をだっ!!!
心の底から願うが、
すでに竜道寺は俺に狙いを定めている。
「お前では俺には勝てん。」
再び衝撃波を放とうとする竜道寺だが、
その前に『炎の鳥』が俺の頭上を飛び越えていった。




