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THE WORLD  作者: SEASONS
4月24日
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2143/2205

月輪の瞳

《サイド:米倉宗一郎》



…ちぃっ!!



これでもまだ足りんのか!!



「…ふん。つまらんな。」



余裕の笑みを浮かべる竜道寺は、

俺のイクシオンと笹倉君のブラストサンダーに上矢君のラストエクリプスまで受けたにも関わらず、

怪我一つ負うことさえないまま全ての魔術を防ぎきってみせた。



…相変わらずのバケモノめっ!!



「所詮は雑魚の魔術か。」



吐き捨てるように呟いているが、

こちらとしてはふざけるなとしか言いようがない発言だ。



…現時点では間違いなく最高位の魔術だぞ!



それでも竜道寺には通用しなかったのだ。



…くそっ!!



悔しいが竜道寺は堂々とした態度で戦場に立ち、

冷めた瞳を俺に向けながらゆっくりと問い掛けてくる。



「一応聞いておこう。お前の力はこの程度か?」



…ちっ!!!



見下されているのは明らかだ。


だが反論できるほどの余裕はない。



数え切れないほどの極大の雷と共和国最強と言える禁呪が全て直撃したにも関わらず、

何事もなかったかのように歩みを進めてくるのだからな。



竜道寺を相手に打てる手立てなど何一つとして存在しない。



「どうやら以前よりも弱くなっているという報告は事実だったようだな。さすがのお前もその身を侵す病には勝てんか…。」



…確かに。



以前の俺であれば竜道寺を足止めする程度の力はあった。


実際に過去の戦闘では竜道寺を退けることに成功しているのだからな。



だからこそ竜道寺も俺を警戒して今まで姿を見せなかったのだろう。



だが今の俺にはそれだけの力がない。



はっきり言えば今ここでこうして立っているだけでも確実に体力を消耗させているのだ。



「残念だが半端な力では俺は止められん。それはお前も理解しているはずだ。」



…くっ!



やはりそうなのかっ!?



冷たい声で囁く竜道寺の言葉によって、

全身が冷え込む感覚を感じてしまう。



「やはり、お前が持っているのかっ!!」



俺が隠した秘宝や常盤成美が所持する千里の瞳ではないもう一つの秘宝。



竜崎慶太が竜谷元成に奪われた秘宝が竜道寺の手にあることを理解してしまった。



「月輪の瞳はお前が持っているのだな!?」



秘宝『月輪げつりんの瞳』



月を象徴する秘宝は本来なら夜にのみ、

その本領を発揮するものだ。



…だから夜の闇を造りだしていたのか?



秘宝の力を発揮するための手段として昼夜を逆転させたのだと考えたのだが、

どうやらそれだけが目的ではなかったらしい。



「念のために言っておこうか。」


「…何だ?」


「お前には見えるか?あの空の先に在る…真昼の月が。」



…何だとっ!?



竜道寺が指し示す上空。



夜の闇が消えて光を取り戻した空には確かに月が存在していた。



「本来ならば昼間には真の力を発揮することが出来ない秘宝だが、月さえ出ていれば昼間であっても本領を発揮することができるのだ。」



…そういうことかっ!



月輪の瞳は月が姿を現す夜にこそ本領を発揮する秘宝だ。


故に逆に言えば昼間は力の半分さえも引き出すことが出来ないはず。



だからこそ竜崎慶太は竜谷元成に敗れたのだろう。


秘宝を使いこなせずに真の力を発揮することが出来ずに戦いに敗れたのだ。



だが今は状況が違う。



昼間であっても姿を見せる月によって、

月の光を浴びる秘宝は真の力を存分に発揮してしまえるらしい。



「月の下において俺を攻撃することは不可能だ。少なくとも…今のお前に出来はしないだろ

うな。」



病によって弱っている俺には秘宝の守りを突き抜ける力がない。


その事実を指摘してきたのだ。




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